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2012年01月19日11:25

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【文字起こし】たね蒔きジャーナル 2012年1月18日 小出裕章氏出演分

放射性物質拡散予測、住民より先に米軍に提供
http://news.mixi.jp/view_news.pl?id=1881672&media_id=20

避難判断にSPEEDI使わず…安全委が改定案
http://news.mixi.jp/view_news.pl?id=1881695&media_id=20

<原発>40年廃炉、一転「60年」容認へ 政府が方針
http://news.mixi.jp/view_news.pl?id=1881179&media_id=2

約1週間ぶりの出演ですが、その間にいくつも腹の立つ出来事が起こってしまいましたねちっ(怒った顔)



MBSラジオ たね蒔きジャーナルHP 
http://www.mbs1179.com/tane/


【文字起こし】

水野:京都大学原子炉実験所助教、小出裕章さんに伺います。小出さんこんばんは。

小出:こんばんは。

水野:よろしくお願いします。

小出:よろしくお願いします。

水野:東京には近藤さんです。

近藤:よろしくお願いしまーす。

小出:はい、近藤さんこんばんは、よろしくお願いします。

水野:まずSPEEDIについてなんですが、SPEEDIの予測、つまりあの3月11日の原発事故のとき、すぐに、風向きがどうなのか、どのあたりに、多くの放射性物質が、降下されるのかということを早く知らせるべきだという議論、このたね蒔きジャーナルでも、すぐに小出先生仰ったわけですが、

小出:はい。

水野:実際にはですね、国民に知らせるよりも、先にアメリカ軍には提供していた、という話が出てきました。

小出:はい、だそうですね。

水野:3月14日には米軍には提供していて、日本国民に提供したのは3月23日。9日も遅かったんですね。

小出:はい。

水野:これについて、どんなご感想ですか。

小出:うーん・・・まあこの日本という国が、どこに、目を向けているかということが、象徴的に現れたのだと思います。米国に対しては、常に、配慮と言うか、まあ私から見ると、いまだに米国の属国だと、日本という国は米国の属国だと思っているわけですけれども、米国に対してはちゃんと情報を提供しながら、自分の国民には情報を与えないという、

水野:ええ・・・。

小出:まあ、今のこの日本という国の姿を現したんだろうなと思います。

水野:これ文部科学省は何でこうなったのかということに対してですね、米軍に先に知らせたのは、米軍に支援をしてもらうためだったと、言うんですよね。

小出:(笑)はい。まあたしかに米軍はトモダチ作戦とかして行ったわけですよね。

水野:ええ、ええ。

小出:それで、船で行ったけれども、風向きが船の方に来た途端に米軍はさっさと逃げて帰ったと、いうわけですから、

水野:そうですよね・・・。

小出:まあ、米軍にとっては、必要な情報だったのでしょうけれども、一方住民たちはそんなこと知らされもしないまま、被曝をしてしまったわけですね。文部科学省という役所がいったいどういう責任を取るのか、私はまずそれを聞いてみたいと思います。

水野:国内の公表は原子力災害対策本部で検討していたので遅くなったと、いうのが文部科学省の答えで、あります。

小出:はい。

水野:ただこの9日間の間にですね、アメリカはもうすぐに自国民を遠くへ、80キロ圏外に避難させるという措置をとりましたよね。

小出:はい。

水野:つまり、本当だったら、日本の国民も、そうした措置を取ることが、SPEEDIが発表されていたら、出来たんですかね?

小出:そうです。飯館村の人たちも、本当であれば避難をしなければいけなかったわけですし、

水野:はい。

小出:えー相馬市の人たちが、飯館村に避難をしてしまったなどという悲劇もですね、

水野:そうです。良かれと思って、

小出:そうです。

水野:飯館村まで、逃げはったんですよね。

小出:そうです。

水野:ところがもっと、

小出:ひどいところに。

水野:放射線量が高かったんですね。

小出:そうです。

水野:その方たちに、どう・・・どう謝罪しても、謝罪しきれないものもあるかと思いますが、

小出:はい。

水野:えー、そのSPEEDIについてですね、今度はまた、さらなる情報が入ってまいりました。えーこれはですね、内閣府原子力安全委員会の作業部会が、避難指示をどうするかということを見直しているんだそうです。その見直し案の中で、こんな話が出てきました。SPEEDIは、信頼性が低いから、使わない。

小出:(笑)

水野:という、案です。

小出:はい。

水野:ニックネーム神戸のみっくんっていう人はですね、「避難判断にSPEEDI使わずというニュースを目にして、もう目が飛び出るくらい驚きました。どういうことですか!」・・・これどういうことですか?

小出:・・・うーん・・・分かりませんそのー、SPEEDIというこの計算構造が出来た・・・理由は、

水野:はい。

小出:1986年のチェルノブイリ原子力発電所の事故が、を経験して、えー・・・自分たちの住民を守るためには、時々刻々放射能の雲がどっちの方向に流れていくかということを、計算しながら住民を避難させる、そのためにやはりやらなければいけないということでこの開発に取り組んだんですね。

水野:はい。

小出:えー、そのために20数年の歳月と、100億円をたぶん超えるお金を投入したと思います。

水野:130億円以上かかってるって話も聞きました。

小出:はい。そうやってまあ原子力を進めている人たち自身が、そうやろうと言ってきたわけで、それが役に立たないと今更言うのであれば、いったいその人たちは何を考えてやってきたのかを問わなければいけないと思います。

水野:近藤さん?

近藤:はい。

水野:この、先に米軍に知らせていて国民に知らせなかった、っていうことが分かってすぐに、いやSPEEDIは、信頼性が低いんだって情報が入ってくるっていうのも、何か、変な感じがするんですけれども。

近藤:うーん。だからまあこれ・・・何ちゅうんでしょう、刑事事件のレベルで考えたらね、

水野:はい。

近藤:あのー・・・いわゆるそういう、情報を提供しないっていうのは、僕はあのー、さっき言いましたけど不作為犯だと思うんですよ。

水野:はい。

近藤:うん。つまりあるべきこと、為すべきことをやらなかった罪ってのはありますよ。うーん。で、作為犯になるとこれはもう、まったくあれでしょうから、別の次元のレベルになるんですけども、この不作為的に、国民に知らせなかったっていうのは、まさにそのー、政治と一体化した、原子力行政全般を覆ってる姿であって、事故後もそうだったというところが、やっぱり深刻ですよね。今まではもちろんそうでしょうし。

水野:はい。

近藤:うーん。

水野:これ・・・まあ、どういう風に原子力安全委員会が言ってるかって言いますとね、

近藤:うん。

水野:事故直後は、炉心のデータが得られず、仮のデータを入力した。が、放射線量の分布は風向きなどに応じて目まぐるしく変わり、汚染地域を正確に予測できない。だから、実測、実際に測ると、いうこと・・・を、で、これからはやっていくという案なんだそうですよ。小出先生、どうなんですか、この考え方。

小出:えー、私は実測ということは、計算よりも大切だと思いますので、

水野:はい。

小出:実測を重視するということはいい考え方だと思います。

水野:はい。

小出:しかし、実測というのはあくまでも限界があります。全ての点で実測するという力はもちろんありませんし、緊急時というような時であれば、ましてや、実測データは限られたものしか得られません。

水野:はあ。

小出:はい。だからこそそれを埋めるために、計算シミュレーションというのがあるのであって、

水野:ええ。

小出:だからこそSPEEDIが開発された、のです。それを今更、ここまで来て意味がないなんて言う人たちがもしいるとしたら、えー、その人たちが、どういう責任を取るのか、今ちょっと近藤さんが不作為の罪とおっしゃったけれども、私はそういう人たち一人ひとりの個人責任を、えー、刑事的にも問いたいと思います。

近藤:うん。あのー、おそらく僕は、取り繕った、結果を踏まえて取り繕った姿やと思うね。

小出:はい。

近藤:うん。あの今起きてる、彼らの言い分ってのはね。

小出:はい。

水野:じゃあこれについてはどうでしょう。原発の寿命の話です。えー今月6日に細野環境大臣が、原発は40年で廃炉にすると、いう方針を示しましたよね。

小出:はい。

水野:ただ、例外があると仰ったもんですから、えーこのたね蒔きジャーナルでも「例外ってどういうことになっていくんだ?」という風に、あのー非常に懐疑的、に、私も見ていたんですが、今度はですね、例外規定で、20年延長できる、という話が出てきまして、ラジオネームおろちさんがですね、「えっ、それってどういうことなんですか?」と(笑)。「自動車でも、何万キロとか、タクシーやったら何万キロとか、そういう風にもう終わりや、っていうの、ありますよね目途って」って仰ってるんですよ。60年という、数字を、小出先生はどうご覧になりますか?

小出:えーまず、私はその40年と細野さんが言ったときに、

水野:はい。

小出:えー、40年で止めるといって歓迎した方もいるわけだけれども、

水野:ええ。

小出:私は逆に、40年までは動かしていいという、そういう宣言をしたのだなと。

近藤:そうそう。そういう意味ですよ、うん。

小出:はい。受け止めました。

近藤:そりゃあそうですよ。うん。

小出:はい。私はそのー、今現在動いているものを、全て即刻止めろと言ってるわけですから、

近藤:うん、うん。

小出:40年だろうと何だろうと止めろといってきた私から見ると、細野さんの主張自身が実にひどい主張だと私は思った、のです。

近藤:うん、そうです。あれね、先生ね、

小出:はい。

近藤:僕はあのー、マスコミの論調もおかしいなと思ったのはね、

小出:はい。

近藤:廃炉っていう言葉のまやかしですよね。

小出:そうですね。

近藤:ええ。廃炉って言葉をかぶせてるから、40年で終わるんだなんていう錯覚するんだけど、あれは立派に政府が、原子力、原発そのものを続けるっちゅう宣言ですよ。

小出:そうです。

近藤:ええ。

小出:はい。そういう風に受け取ってくださる方があまりいなかったので、私はちょっとがっかりしていたのですが、それを見透かしたように、今度はまたそれをさらに20年、延長するというように、政府が言い出してるのですね。まあ原子力を進めてきた人たちの巻き返し工作、が着々と進んでいるということだと思います。

近藤:うん、うん、うん、うん(何度も相槌を打つ)

水野:本当の意味を読み取るのは非常に難しいんですよね。

小出:はい。

水野:ラジオネームおろちさん、こうも仰っていて、あの、「原子力の圧力容器の色んな、取り替えとかって、できないんでしょ?例えば配管など、交換とか、できるんですか?」って仰ってるんですよ。

小出:配管は山ほど交換しています。既に。

水野:ええ。

小出:はい。えー、どうしてもできないのが原子炉圧力容器、です。

水野:あー、そうか、これは交換なんかできないんですね。

小出:はい。

水野:で、あのー、原発・・・の中に電気ケーブルっていっぱいあるんだそうですけども、

小出:はい。

水野:こういう話を聞きました。原発1基で、電気ケーブルは、ずーっと延ばしたら、2000キロにも及ぶ、って。

小出:はい。

水野:そんなに電気ケーブルが、長い、ものとして、存在するんですか。

小出:(笑)たぶん、はい、そうだと思います。

水野:それは・・・(笑)、全部、確認なんて・・・できるんですかね?

小出:えー、まあ、きちっと図面があれば、その図面をたどってどこにどのケーブルがあるということは分かるのですけれども、えー・・・昔設計したものに関しては、きちっとした図面が残っていないということはよくあることだと、

水野:ええー!

小出:思います。えー、

水野:はあ・・・。

小出:はい。私は京都大学原子炉実験所ですけれども、その私のいる場所でも、昔の図面が探せないで、そのケーブルがいったいどこにどういう風に引き回されてるか分からないということは時々、あります。えー・・・ましてやその、日本の原子力発電所というのは、米国から、輸入したというか作ってもらったわけで、

水野:ええ、ええ。

小出:えー日本ではそれをチェックする力の無いような時から始まっていますので、特に古い原子力発電所には、ケーブルの図面が無いということはよくあることだと思います。

水野:・・・はい、ありがとうございました。

小出:はい。

水野:京都大学原子炉実験所助教、小出裕章先生に伺いました。

【文字起こしここまで】
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