<独法・原発検査>「丸写し」03年設立以来
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原発検査員「ストレステストは再稼働ありきの茶番だ」
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ストレステストが茶番だなんて誰もが分かり切っているのに、今更何を言ってるんだという話ですが。
20120111 たね蒔きジャーナル 京都大学原子炉実験所助教 小出裕章
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【文字起こし】
水野:京都大学原子炉実験所助教、小出裕章さんに繋ぎます。小出さんこんばんはー。
小出:こんばんは。
水野:よろしくお願いします。
小出:よろしくお願いします。
水野:東京には近藤さんです。
小出:はい。
近藤:よろしくお願いしまーす。
小出:はい、近藤さんこんばんは。よろしく。
水野:えーまず、ある組織のことで、伺いたいんですけどもね。
小出:はい。
水野:原子力安全基盤機構、という、組織が、あります。
小出:はい。
水野:小出先生もご存知・・・ですよね?もちろん。
小出:もちろんです。
水野:はい。でこれはですね、どういうところかというと、原発関連施設の検査機関、として、法で定められている、ただひとつの、機関なんだそう、です。
小出:はい。
水野:近藤さん?
近藤:はい。
水野:あのこんな風に、法律で、ただひとつ決められてる機関って言ったら、どんなにか厳しい検査をしているはずだと、まあ私なんかは思うんです。印象で。
近藤:そうですね。
水野:ねえ。ところが実際はですね、検査対象となる事業者、まあつまり多くの場合、電力会社ということになるんだと思うんですが、
近藤:うん、うん。
水野:電力会社が作った、原案を、丸写しして、それを、もとに、検査してる。ていうことが、分かってきました。・・・あのー、でびっくりしてるんですけど小出先生、
小出:はい。
水野:これ、びっくりしてる、私は、どうなんでしょう、変なんでしょうか。
小出:ふふふっ(笑)。えー、私は、京都大学原子炉実験所の職員ですし、
水野:はい。
小出:えー原子炉を動かしていますので、定期検査をむしろ受ける側に、います。
水野:あ、そうですね。
小出:ただ私の場合は、文部科学省の検査を受けるということになっていまして、
水野:はー、はい。
小出:えー原子力安全基盤機構とは私は関係がない、のです。
水野:ええ。はい。
小出:えー、でも、私・・・が、たとえば定期検査を受けるための、検査の要領書というものがあるのですけれども、
水野:はい。
小出:それは基本的には、私の方が作っています。
水野:あ、検査される人が作るんですか?
小出:えーと、本当はそれ正しくない・・・の、ですけれども、
水野:ええ。
小出:え・・・たとえば京都大学原子炉実験所の、
水野:はい。
小出:原子炉、あるいは私は、えー廃液処理装置、のお守りをしているのですけれども、
水野:はい。
小出:えーそういう装置がどういう・・・ものであって、どういう検査が必要で、どういう風にしたらいいかという、その細かいことというのは、要するに検査官の方は分からない、のですね。
水野:え、言うたら、逆に言うと分からないような人が検査するんですか?
小出:えー・・・たとえば、水野さんの家の、台所がどんなになっているかというのはたぶん水野さんがいちばんよく知ってる、はずだと思いますし、
水野:まあ・・・ねえ。うん。
小出:えーどういうところに問題がありそうだということも、えー外の人は多分知らない、
水野:まあ・・・ええ。
小出:と、思います。ですからまあ、原則的に、こういうところはどうなってるかというようなことはもちろんあのー、チェックのしようはあると思うのですけれども、
水野:ええ。
小出:細かい点のチェックのし方というのは、えー・・・私なら私、
水野:ええー?
小出::その検査を受ける方の機械を本当に知り尽くしている人間しか書けないのですね。
水野:はい。
小出:はい。えー、ですから、私たちの方で、こういう検査でどうだという要領書の案を作って、
水野:うん。
小出:えー私の場合には文部科学省へ持っていくわけですが、
水野:はあー、はい。
小出:えーそれを文部科学省の、担当者と一緒にこの検査の要領書でいいかという相談をしながら、要領書を作るのですね。
水野:ああー、はい。
小出:えー、でもまあ基本的に言えば、要するに私・・・あの、原子炉実験所であれば原子炉実験所の職員が、基本的なことは作っているということなの、です。
水野:はあー。
小出:えーそれはやはり・・・こういう、復雑な機械を取り扱うときには、
水野:ええ。
小出:えー、そうならざるを得ないと、私は、思います。えーただし、問題は、
水野:はー、はい。
小出:原子力安全基盤機構のように、メーカー・・・のその・・・人が、え・・・基盤機構の職員になったりですね、
水野:ええ。
小出:えー、んー・・・いわゆる原子力村の人たちがその基盤機構で働いているわけですから、えー・・・なあなあになってしまって、
水野:そこか・・・はい。
小出:はい。検査そのものが意味を為さないということに、なる可能性が強いということだと私は思います。
水野:はあー。この原子力安全基盤機構・・・の中にもですね、
小出:はい。
水野:原発のメーカーや、
小出:はい。
水野:電力会社などのOBの方々が大勢、
小出:そうです、はい。
水野:入ってはるようですね。
小出:そうです。
水野:それが今、小出先生仰った原子力村、
小出:はい。
水野:の、お仲間ってことになってくるわけですね?
小出:そうです。仲間同士で、まあ検査をしあ、し合ってしまうわけですね。
水野:うん。
小出:ですからそういう体制はやはり問題だろうと私は思います。
水野:近藤さん。
近藤:はい。
水野:こんな体制、もうまずぶち壊し、すところから始めなあかんように、いま、私は感じましたが。
近藤:検査ってのは、要するに、安全・・・を確保するためにやるわけですよね?
小出:そうですね。
近藤:で・・・何か安全を確保・・・する、うー・・・その、おー・・・中身の検査を・・・お・・・まあ、言わば・・・原発関連施設を守ろうとする、連中がやってたら(苦笑)
水野:(苦笑)
小出:(苦笑)
近藤:そらあ、安全を担うってことには、ならないわけで、このー問題ってのは、まあ・・・今日の福知山もそうだけど、人間の命っていいますかね、
水野:うーん。
近藤:そういうものを、この国ってのが実にいい加減に考えてきてるっていうことの見本みたいな話ですよねえ。
小出:そうですね。そういう、言える・・・点もやはりあると思いますね。
水野:これあの原発の検査というのはね、
小出:はい。
水野:そもそも伺いますけど、どんなことをなさるのか、たとえば実際に、配管が、腐食してるかどうかなんていうのを目で見たり、触ったり、トントンとこう叩いて音を聞いてみたり、ってゆうなことは出来るんですか?
小出:ああ、もちろんあのー目視検査というのもありますし、
水野:はい。
小出:たとえばポンプなんかだったら分解点検検査というのもありますし、
水野:ああー、はい。
小出:えー、それぞれ、あのー・・・検査項目が、たくさん決まっているのです。
水野:ええ、ええ。
小出:はい。
水野:ということはじゃあ、もうしっかりと普通の機械みたいにあらゆる部分を、ちゃんと、検査できるんですね。
小出:えー基本的にはまあ出来るという建前になっているのですね。
水野:建前というのはどういうことでしょう?
小出:はい。しかし、その・・・ここを見なければいけないと思ってまあ、要領書を作るわけですけれども、
水野:はい。
小出:えー実際には、見てなかった所で事故が起きたりする、わけですね。たとえば、えー、
水野:はー。
小出:もう10年・・・ちょっと前だったと思いますが、
水野:はい。
小出:美浜3号機という原子力発電所で、2次系の配管が、長い年月使ってる間に、えー、配管自身が薄くなってしまって、
水野::はい。
小出:破裂をして、作業員が5人亡くなったという事故があったのですけれども、
水野:はい。
小出:それなどはもうなん、ずっーと始まって以降一度も検査すら受けていなかったと、いうそういうところで事故が起きているのですね。
水野:はあ・・・。
小出:ですから・・・建前上は、しっかりと検査をしているということになっているわけですけれども、
水野:ええ。
小出:どうしても見落としているところなどがあるために、そういうところで事故が起きてしまうわけです。
水野:見落としがないくらいに、まあ、分かりやすいものではないってことですね?
小出:えー、
水野:どうしたって見落として
小出:(苦笑)
水野:しまうぐらい複雑だと思えばいいんですか?
小出:そうですね。要するにまあ大変複雑な機械なわけですし、えー私なども、検査を受けるときには、
水野:ええ。
小出:もちろんその、安全を守りたいと私は、あの、自分の、職場を・・・職場の安全をですね、
水野:ええ。
小出:守りたいと思っていますので、えー・・・インチキをしようなどということはさらさら私は思っていませんけれども、
水野:はい。
小出:まあ、私・・・などが、・・・その、考えつかないようなところで、まあ時にトラブルが起きたりすることもあるわけですから、機械というものの宿命だろうと思います。
水野:はあ・・・じゃあ検査の話でもうひとつ伺いたいんですが、
小出:はい。
水野:あの、原発のストレステストと。
小出:はい。
水野:いうものを行っていくという風に政府が言ってますよね。
小出:はい。
水野:で、えーもう既にEU、ヨーロッパで、日本に先駆けてストレステストが行われたんですよね?
小出:そうです。
水野:で、今回、EUの、ストレステストの評価をした方が来日なさったんです。
小出:はい。
水野:ブルガリアの、ゲオルギ・カスチエフ博士、っていう、方なんですが、
小出:はい。
水野:その方の言葉を聞いて、私はちょっと驚いたんですが、あの、ストレステストなさったほうの方が仰ってるんですがね、
小出:はい。
水野:ストレステストには評価基準が無く、ストレステストで、原発が安全になるわけじゃあないと。
小出:そうです。
水野:はあ(笑)
小出:(笑)
水野:そ・・・ん、ええ?
小出:えー、ストレステストというのは、この番組でも聞いていただいたと思いますが、単にコンピューターのシミュレーションをするというだけのことなんであって、原子力発電所、機械としての原子力発電所が、1ミリでも安全に近付くわけではない、のです。えー・・・既にある、もう、形のある原子力発電所がどこまで、異常事態に耐えられるの、だろうかという、計算機の、シミュレーションをしてみるというだけなのであって、えー・・・シミュレーションはあくまでもシミュレーションで、いい加減なシミュレーションしている限りは何の有効性も無いということになってしまいます。
水野:日本のストレステストはこのEUのストレステストを下敷きにして、
小出:はい。
水野:なされるんですよね?
小出:そういうことになっています。
水野:なってますよね?
小出:はい。
水野:で、この博士が仰るには、ストレステストには人的ミス、まあ人間がするミスや、複合要因や老朽化の問題は対象外であると。
小出:はい。言わばそうです。
水野:(呆れる)はぁーあー・・・。この方こんなことも仰ってる。3月11日の前に福島第一原子力発電所の、ストレステストをもししていたなら、問題ないとしていただろうと。
小出:当然ですね。
水野:ま、コンピューターでシミュレーションするだけなんですね。
小出:(失笑)そうです。
水野:(失笑)・・・はあ。実態を・・・見て、触ってなんてことは出来ないってことですね?
小出:えー、はい。少なくともストレステストは実態を見るなんていうことは何一つしません。
水野:はあ・・・そうですか。そ、でもそのストレステストで・・・テストの結果で再稼動、へというのが、政府の、考えなんでしょうね。
小出:要するに、これまで、日本の原子力発電所というのは、たとえば原子炉立地審査指針であるとか、様々な指針、国が決めた指針、にのっとって、
水野:はい。
小出:安全審査を受けて、これではOKだといってお墨付きをもらってきたわけですね。えーところが、そうであったはずの福島第一原子力発電所で、実際に事故が起きてしまったわけですから、
水野:はい。
小出:これまでの指針が意味が成さなかったということが、少なくとも事実として分かってしまった、
水野:ええ。
小出:わけです。えーそうなれば、今までの指針・・・を、これから適用するということは出来ないわけですから、だからストレステストをやらなければいけないという話になった、のですね。でもすぐにそのストレステスト自身が、単なるコンピュータのシミュレーションでしかありませんし、そのシミュレーションというのは想定したことに関して計算するわけなのであって、
水野:ええ・・・。
小出:想定できないようなこと、まあ人為ミスであるとかですね。そういうことに関してはもう何もしないということになってしまうんですね。ですから結局まあ今までやってきた、安全審査各種の指針に基づいた安全審査と、言ってみれば同じこと、を、またやって、えー、それで安全性を確認したというような言い訳を作るためにやろうとしているわけです。
水野:はい。ありがとうございました。
小出:はい。
水野:京都大学原子炉実験所助教、小出裕章さんに伺いました。
【文字起こしここまで】
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