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2012年01月10日11:35

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【文字起こし】たね蒔きジャーナル 2012年1月9日 小出裕章氏出演分

■原発の新規制 唐突な「40年で廃炉」の方針
(読売新聞 - 01月08日 01:07)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?id=1870658&media_id=20

今回からたね蒔きジャーナルの文字起こしも自力で始めました!
転載大歓迎です!

20120109 たね蒔きジャーナル 京都大学原子炉実験所助教 小出裕章


MBSラジオ『たね蒔きジャーナル』HP
http://www.mbs1179.com/tane/


【文字起こし】

水野:京都大学原子炉実験所助教、小出裕章先生に伺います。小出さん、こんばんはー。

小出:こんばんは。

水野:よろしくおねがいします。

平野:あのー平野です、あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。

小出:ああ、おめでとうございます平野さん、よろしくお願いします。

水野:ああ、そうですね、はい。

小出:はい。

水野:えー・・・小出さん。

小出:はい。

水野:今、ニュースで聞いていただいたかと思いますけれども。

小出:はい。

水野:原発の是非を住民投票で問いたいと。

小出:はい。

水野:する、署名活動。

小出:はい。

水野:これが、必要な署名の数が集まったと、いう風に市民グループが今日発表いたしました。

小出:はい。

水野:これについてどんな感想をお持ちでしょう?

小出:よかったと思います。

水野:あー。

小出:はい。まあ・・・あまりにも政治が酷い、わけですから、えー、政治にはもう任せて・・・おけない、えー自分たちで決定したいと。えー、皆さんが、思われた・・・のだと思いますし、えー私は、もともと、ひとりひとりが、ものを考えてくださいと皆さんにお願いしてきましたし。

水野:ええ・・・。

小出:えー、こういう条例ができることを、私は願います。

水野:うーん・・・ね、これからまた、あのー、いくつか、議会に、通して。

小出:ふふっ(笑)

水野:いうような、ハードルは、ありますけれども。

小出:そうですね、まだまだ。はい。

水野:あの・・・まずは第1歩が。

小出:はい。

水野:踏み出せるということに、市民グループとしてはなったと。

小出:はい。

水野:いうことですね、はい。

小出:はい。

水野:そしてですね、次に伺いたいのは、あの・・・原発の稼動を40年と、する。で40年たったら、おしまいにする、廃炉にすると。いうことを法で決めますと。いう方針を細野原発大臣が発表いたしました。

小出:はい。

水野:えー国が原発の運転の期間を、法で定めるのはこれが初めてということ・・・なんですね。

小出:はい。

水野:ただこれ、例外で延長も、在り得るんだという風に、文言が付いております。

小出:だそうですね。

水野:ええ。これについては、小出さんはどんな風に見ていらっしゃいますか?

小出:えー私は、もうこの番組でも何度も聴いていただきましたけれども、全ての原子力発電所を、即刻停めるべきだと。言ってきたわけで、40年経ったから停めろとか、30年で停めろとか、えー・・・そういう風に言ってきた・・・つもりは、ありません。

水野:はい。

小出:えー・・・新しく動き始めた原子力発電所でも、全て停めなければいけないと私は言ってきたわけですから、えー政府が40年で停める、それも例外を認めるなんて話はですね、私から見ればもう言語道断なことだと思います。

水野:あの・・・この・・・例外はね、じゃどんな風に、認めるという風に、今言ってるのかといいますとね。

小出:はい。

水野:えー・・・電力事業者から、申請があったとき、はですね、えー・・・施設自体の老朽化、と、施設を保全できる、技術的能力について審査をして、問題がない限り、延長を、承認する。という・・・こと、なん、ですね。

小出:はい。

水野:これ・・・あの、小出先生からご覧になったら、・・・まあ、小出先生はもう、大前提からしておかしいというお考えではありますが。

小出:そうです(笑)、はい。

水野:本当にこういうことが法・・・的にね、GOしたときにですよ?審査する基準は、施設自体が、老朽化してないか。そして、えー・・・施設をちゃんとやっていける、技術・・・的能力があるかどうか。でそれで問題がなかったら、っていう・・・前提なんです。これは、どれくらい科学的なものなんですか?

小出:えー福島第一原子力発電所・・・に対しても、国は厳重な安全審査をして、東京電力に技術的な能力がある。老朽化の問題もないと。

水野:ああ・・・。

小出:言って、お墨付を与えながら来て、事故になっている、のです。

水野:そうか、はい。

小出:はい。それを今更また偉そうに(笑)、国が審査をして、安全であることを認めてやるというようなことを言っているわけで、まずはあなたたちに全てやめた方が(失笑)いいんじゃないですかと私は言いたくなります。

水野:うーん・・・これ、逆に言うと・・・ザル法と言いますかね。

小出:はい。

水野:あの、例外規定もありますので。

小出:はい。

水野:意味が成さないというような、恐れもあるんじゃないかと。

小出:まあ私から見ればそうですけれども、まあ、40年という年限を切ったということが、まあ皆さんにとっては、真新しく、見えるかもしれませんし。

水野:ええ、ええ。

小出:まあそれなりの、ひとつのステップを踏んだということは、まあたしかにあるとは思い、ます。でも本当はそんなことではないんだということを、あのー皆さんに分かって欲しいのです。

平野:そうですねえ。先生あのー、美浜の、まあ関電の1号機とか敦賀の日本原電の1号機とか、これもう41年、なってるわけですよねえ。

小出:そうです(笑)。そうです、もう既にはい。

平野:だから40年と本当に切ってやる気があるんであれば。

小出:はい。

平野:これはもう、先生の先ほど言われた即刻。

小出:そうです。停止です。

平野:あのー、廃炉、ですよねえ。

小出:そうです。

平野:でー、それを、そのー、やる・・・何か覚悟みたいなものが全く、こう・・・なさそうですし。

小出:はい。また何か例外で、生き延びさせようという風にしてるんだろうなと思いました。

平野:うーん、だからまあ逆に言うと再稼動への地ならしみたいなのが。

小出:はい。

平野:あのー、延長容認でですね。

小出:はい。

平野:やる・・・何か気配がもう濃厚ですよね。

小出:そうですね。

平野:うーん・・・。

水野:これ、だって、新しい原発も作れそうに・・・読めますよね?

平野:古いものは、そうですね。うん。

小出:もちろんですね。40年間は動かしていいよというそういう宣言をしているわけですね。

水野:んー、今まででも、30年経ったら、10年ごとに運転の延長を国に申請して寿命を延ばしてきたんですよね?

小出:はい。

平野:うん。

水野:これ、法律では決められていなかったけど、現行はそうだったんですよねえ?

小出:はい。

水野:ということは、何か逆に30年でもう申請しなくて40年まで申請しなくてもいいという風に。

小出:(笑)

水野:あたしは、素人ながら読んだんですけど。

小出:まあ・・・どんな風にも読めるだろうし、国の方がどんな風に運用す、しようと思うかによって、全てが決まってしまうということだと思います。

水野:うーん・・・それからこの老朽化ということのメカニズムについて伺いたいんですけどね。

小出:はい。

水野:あのー福島第一原発では、運転40年が経過した1号機。

小出:はい。

水野:の建屋吹っ飛びましたよね。水素爆発で。

小出:はい。

水野:しかしながら東電や保安院は、あのーこう言ってます「老朽化で、事故が拡大したという影響はなかった」と。

小出:はい。

水野:言うんですね。

小出:はい。

水野:その原発ってのは老朽化しても、やりよう次第で安全を確保できるんですか・・・?

小出:えー・・・事故というものは、老朽化によって起きる事故もあるし。

水野:・・・もあるんですか?

小出:はい。あの老朽化とは全く関係なく起きる事故も、あるわけですね。

水野:はあー・・・あ、はい。

小出:えー例えば、人間が遭遇した最大の原子力発電所事故はチェルノブイリ原子力発電所の事故、でしたけれども、あの原子炉はソ連きっての最新鋭の原子力発電所で。

水野:はあー(驚き)

小出:2年しか運転していませんでした。

水野:2年でしたか!

小出:はい。でー、その前には米国のスリーマイル島の原子力発電所が事故を起こしたのですが、あの原子力発電所は動き始めて3ヶ月でした。

水野:3ヶ月・・・!

小出:はい。ですから別に老朽化なんていうこととは全く関係なく。

水野:ううーん。

小出:事故は起きる、のです。

水野:はい。

小出:でー、そうではなくて老朽化が原因で起きるということもありまして。

水野:ええ。

小出:たとえば美浜3号機で、えー・・・2次系の・・・配管が、破断して、5人の作業員が熱湯を浴びて死ぬということがありました。けれども、あれはあの・・・まさに老朽化。で、パイプが、あの削り取られていって、破断をした、ということでした。

水野:何で削り取られるんですか?

小出:えーとこれはですね、大変難しいんですけれども。

水野:ああすいません。

小出:流量を測るためのオリフィスというそういう測定器があるのですが、そのオリフィスの下流に、えー冷却水が、渦を巻くんですね。その渦を巻くことによって、配管が、まあ炭素鋼ですけれども、それが削り取られていって、どんどんどんどん薄くなっていって、ある時点で耐えられなくなって破れたというのがあの事故・・・。

水野:はあー・・・。

小出:でした。ですからそれはまさに年月との戦いだった、のですけれども、まともな検査もしていなかっ、いないまま、その・・・破れるに任せてしまったというそういう事故でした。

水野:そうか事故は新しくても起こるし、古くてもまた、違う意味でまた起こると。

小出:そうです。

水野:はあ・・・(ため息)。

小出:えー福島第一の場合、老朽化という問題がどこまで寄与したかということは、今のところよく分かりませんし、残念ながらたぶんそれを調べることもできない。

水野:できないですか。

小出:要するに近付くことがもうできませんので、事故原因を調べることもできません・・・できないというそう状態になっていますので、えー福島に関してはたぶん分からないまま行くだろうと思います。

水野:ああー・・・。それからもうひとつ、伺いたいんですが。

小出:はい。

水野:あのー・・・これは福島第一原発の事故の2週間あとの段階で、政府が想定していた、最悪のシナリオ。というものが今になって明らかになってきました。

小出:はい。

水野:で、これはですねえ、4号機。の、使用済み、核燃料のプール、の、中にある燃料が溶けるということを想定、したんだそうです。

小出:はい。

水野:で、最悪の場合どういうことが起こるかといいますと、えー・・・まあ、住民で希望する人たちがいたら、移転を認めるべきだという地域は、どこまでかというのが半径250キロ、の外側まで。発生する可能性がある、と言うんですね。

小出:はい。

水野:で250キロというとどこかと言うと、えー、横浜、あたりになります。

小出:はい。

水野:つまり、東京も含めて首都圏の、多くの地域から、ま、避難が必要・・・であると。いう事態を政府が想定していたと。

小出:はい。

水野:いう話が出て・・・きました。

小出:はい。

水野:で・・・わたくし思い出したんですが小出先生はたしか、4号機というのは、あの・・・いまだ色々心配なことがあるんだよと、仰ったときがあったかと思うんですね。

小出:そうです。

水野:4号機のプールというのは今どういう状況なんですか?

小出:えー使用済みの燃料プールというのは、放射能を閉じ込める最後の防壁である格納容器という容器の、さらに外側にある、のですね。つまりその放射能を閉じ込めるという防壁に関して言えば何もないという場所に使用済み燃料プールがある、のです。そしてそのプールの中に、4号機の場合には、えー原子炉の中に通常入っている燃料の、2倍、あるいは3倍分ぐらいの、使用済みの燃料が溜まっている、のです。

水野:はあー、はい。2倍3倍溜まっている。はい。

小出:はい。そして4号機というあの建物はですね、水素爆発でやはり吹き飛んでいるのですけれども、4号機の場合の水素爆発は非常に変わった形で起きていまして。

水野:はあ。

小出:えー・・・1号機も3号機も、オペレーションフロアーと私が、私たちが呼ぶ、最上階の部分で爆発が起きて。

水野:ええ。

小出:いわゆる体育館のようなどんがらの部分が吹き飛んでいる、のですが。

水野:はあ、はい。

小出:4号機だけはそうではないのです。

水野:ふうん。

小出:えーそのどんがらの部分も吹き飛んでいるし、さらにその下の、1階、さらにまたもっと下のもう1階分ぐらいのところの、建屋が爆発で吹き飛んでいる、のです。

水野:はい。

小出:で、実はだからそこに使用済み燃料プールが埋め込まれている場所というところが。

水野:はあー!はい。

小出:えー既に爆発で破壊されてしまっているわけで。

水野:はい。

小出:えー、いつ使用済み核燃料プールが崩壊してしまうかが分からないという、そういう状態が、3月・・・15日でしたでしょうか、4号機の爆発以降ずっと続いている、のです。

水野:えっ、今も続いているってことですね?

小出:続いているのです。

水野:その、プールが、崩壊の危機に晒されている状況は今も続いているのですね?

小出:はい。ただし、東京電力ももちろんそのことの重大性に気が付いていまして。

水野:ええ。

小出:えー4号機の使用済み燃料プールをとにかく崩壊から守ろうとして、耐震補強工事というのをやったのです。

水野:はい・・・。

小出:えー、でも・・・あまりにもひどい、要するに作業環境で、工事を行ってきている、わけだし、それしかできないわけで、ゆっくりゆっくりその、きちっとした工事をするというようなことが実際にはできない現場なんですね。

水野:ええ、ええ。

小出:そこででも東京電力はまあ苦闘しながらやったとは言っているわけですけれども、これからまだ余震も来るでしょうし、次に大きな余震が来た時に、4号機の使用済み燃料プールが、本当に壊れないんだろうかということが私は不安なの・・・です。

水野:はい・・・。

小出:もし、壊れてしまえば、その政府が3月15日の頃に、予想したように、約250キロというようなところも、膨大な汚染を受けることになると思います。

水野:はあ・・・そういう不安な状況が今も続いていると、認識しなきゃいけないんですね・・・。

小出:そうなのです。

水野:はい。ありがとうございました。

小出:はい。

平野:どうもありがとうございました。

小出:ありがとうございました。

水野:京都大学原子炉実験所助教、小出裕章先生に伺いました。

【文字起こしここまで】
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