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2011年12月30日06:39

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政府事故調中間報告

 22日読売。政府事故調の指摘する福島第一原発初期対応の問題点が少し漏れ出てきた。従来、少しずつ漏れ言われていたことをまとめると、下記のようになる。
  ・官邸5階(首相中心チーム)と官邸地下(危機管理チーム)の
   コミュニケーション不足。
  ・SPEEDIデータは、管轄の文科省メンバーが居た地下にしか伝わらず、
   活用されなかった。
  ・他にも公表遅れや説明不足があった。
  ・東電が、本社・現場とも、非常用復水器などの仕組みを理解しておらず
   不適切な対応をした。
  ・津波など苛酷事故への備えが充分出来ていなかった。




 24日東京。文科省がSPEEDI公表遅れの中間報告を出した。単に全職員から募った意見を集めただけで、検証が無かったよし。うーん。




 27日各紙。政府事故調中間報告が正式に出た。調査対象炉は1号機・3号機、対象者は今のところ政治家以外。本エントリの一番上に書いたように、以前から少しずつ漏れていたけど、その内容のまとめ版。

 要約すると問題点は4つ。

  ・事故対策不十分。
    想定していたのは人為的ミスなどの対処ばかりで、自然災害への備え
   が無かった。

  ・現場の混乱。
    冷却系が止まっているのに動いていると誤認したり、電源が止まると
   どういう挙動をするのか分かっていなかったり。内部の連絡も無い。

  ・政府も機能せず。
    OSCは使えず、官邸内部も総理のいる5階と、各省からスタッフの
   集まる地下とで情報のやりとりが充分出来ていない。保安院も 600m
   の距離にある東電に人を派遣せず、指示はほとんどせず「情報を上げろ」
   と言うばかり。それどころか、現地に居た4人の検査官も、3/12、14と
   2度にわたり総引き上げしていた。「安定ヨウ素剤を子供たちに飲ませ
   ろ」と言う指示のFaxはこの検査官達に送られたが、受け取るべき検査
   官達が黙って逃げていたので、誰も受け取らず、結果、ヨウ素剤は活用
   されなかった。

  ・情報公開の拙さ。
    どうとでも受け取れる分かり難い発言「ただちに人体に影響は無い」
   をした枝野。全ての情報をコントロールしようとして、公開了承待ちの
   列が出来、情報公開遅れを招いた官邸。SPEEDI情報も役立てられず。

 菅総理らへの聞き取り調査は今後、ということらしいけど。早く実施すべき。政府事故調なので政府に遠慮があるように見られてしまうよ。国会事故調が別途動いているから、かばっても後でバレルし。

 でも、まぁ、この段階でも人災であることは明らか。
  東電
   (特に、武藤顧問や吉田元所長ら。吉田氏は賞賛する人もいるけれど。
    津波対策をしなくて良いと決めた責任者の一人でもあり、現場の混
    乱を招いた責任者でもある。特に、冷却系を止めた連絡を受けてな
    い、ということは、彼に対し普段から物が言いにくい雰囲気があっ
    たのでは?と感じさせられる)、
   (その後東電は一部反論したけど。やはりイカガワシイ)
  政治家
   (特に菅総理と、過去の原発行政関係者)、
  役所
   (特に保安院と安全委)
の無能さが無ければ、この大震災・大津波にも耐えたかもしれない、少なくとも被害は大幅に減らせたと言う気がしてくる。



 ここで、SPEEDIについて。公表遅れは、
   文科省から保安院にデータが送られる。
  →保安院は、仮定なので「信頼性低い」と付記して官邸地下に送付
  →官邸職員は、付記から「あくまで参考情報」と考え、5階には伝えず
と言う流れで起きた、となっているけど。

 上杉隆らは「SPEEDIデータがあるはず、公開せよ」と官邸に伝えていたとか。地下は携帯電話が通じなかったそうだから、伝えたのは5階のスタッフでしょう。

 もし上杉の言い分が正しいのなら、5階(つまり、菅総理ら)はSPEEDI情報を知っていながら無視したことになる。仮に、信頼性が低い情報だ、と思ったとしても。現地で線量計を持って測って歩いている政府関係者がいた、という別途報道(朝日など)がある。大まかな避難指示は出せたハズ。SPEEDIも線量計も無い私ですら、当時(4/2や16など)のmixi日記などで「50km圏の子供と子供を作れる世代は逃げよ」と書いているのだから。例えば↓
   http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1707028308&owner_id=2129235
これらの日記はタイムラグがあるので、裏日記にはもっと早く書いていた。



 なお、枝野の言う
   「ただちに人体に悪影響はない」は、
   「パニックにならずに、落ち着いて素早く避難して下さい」
と言う意味に私は聞こえていたし、弁護士である枝野は、そう言い訳するつもりなんでしょう。菅や枝野の問題でもあるけど、伝えるマスコミの問題でもある。



 しっかし、菅総理ってこの件でした正しい行動は、逃げようとした東電を一喝したことだけ(上記中間報告では、全員逃げようとしたのではなく、最低限の人数は当然残すつもりだった、と東電側が言い訳しているけれど、イカガワシイ)。他の全てで、彼は事態を悪化させたと思う。

 情報伝達が各所で上手く行かなかったのも、彼が怒鳴り散らすから。怒鳴られるのが苦手なエリート官僚(やエリート東電社員)が、情報を上げなくなってしまったことが大きな原因。
   (エリート男性と一般女子は、子供の頃、聞き分けの良い子で
    あることが多いので、怒鳴られるのになれておらず、怒鳴ら
    れると普通の男性が想像する以上に、過剰におびえることが
    多い)
まぁ怒鳴られるのがイヤで、伝えないと深刻に拙い情報を総理に伝えないエリート達も良くないけどね。

 さらに、低い情報処理能力しかないのに、あるいは夜は寝るのに、全てを抱え込み、自分の了承が無ければ物事が動かないようにしてしまって、各種対処を止めてしまった、というのも、菅前総理の大きな罪。ちょうど、鳩山内閣の平野官房長官みたいだわ。無能なくせに仕切りたがる輩が上に居ると、何も動かなくなる。




 福島第一原発事故は、東電と菅・官、三者による人災。
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