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2011年12月11日12:07

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寒気がするので風邪かと思ったら冬だった。

松本大洋の「ナンバー吾」が古本で四巻(新装版?)揃いで売られていたのを発見した。評判を聞いていたのと、表紙の絵柄も嫌いじゃなかったので財布の中身で悩んだ末購入。

その前に買ってあった宮部の「おまえさん」を読んだらなかなか痛いトコを突いてきた。器量の良くない男が美しい娘に歯牙にもかけられないだけならまだしも…な辺りとか。最近この人の本を迂闊に読むと危険な気がしてきた。このところただでさえグズっているので復帰に時間を要する。ナンバー吾を読んで過ごすことにした。

ナンバリングされた特殊戦闘員が戦うというあらすじは、熊谷カズヒロのサムライガンを思い出させた。古くはサイボーグ009とか有るし、作中劇でもそれをモチーフにしていたけど、絵柄は違えど微妙な関係性や緊張感から特にサムライガンが浮かんだ。いや全然違うっちゃ違うけど。

キャラクターに関しては、マイクの理想像っぷりが洒落にならない。初見で異常行動として見せられる行為も、人間以上の生物としての美しい習性か、全てを統括する性質だと思わせられる(が、その行動によって移住?させられている白猫と、後に他のナンバーズやパパが一緒に居るのを見ると、やっぱ若干ゾッとするぞ)。

そして、そんなマイクと対照的に描かれるのがタイトルにもなっているナンバー吾であるユーリ。理想でもなく、内面や過去を描いたとしても突き放したような描写がされている。
 マイクが美しく慈愛を兼ね備えた野性動物なら、ユーリは油や泥や血にまみれて錆の浮いた機械のような印象。でも、だからこそ、謎の女を連れ去ったユーリにも強い共感を覚えたりする。

父性とエゴイズムが同居しているパパとか、ある意味で純粋なビクトルとか、皆自分勝手にやっているのだけど、先に挙げた二人の両極さには敵わないなぁ。
 また何回か読み直したら、違うことを書きたくなりそうな話でした。が今回はこの辺で。

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