早稲田祭最後の参加イベントは、早稲田大学アニメ声優会主催の
「ufotable party 〜ハイクォリティアニメーション・メソッド〜」。
近藤光さん(ufotable代表取締役・プロデューサー)
寺尾優一さん(アニメーション撮影監督 代表作:「がくえんゆーとぴあ まなびストレート!」、「空の境界」)
平尾隆之さん(アニメーション監督 代表作:「劇場版 空の境界 第五章 矛盾螺旋」、「がくえんゆーとぴあ まなびストレート!」、「フタコイ オルタナティブ」)
という、そうそうたる顔ぶれによるトークイベント。
これは、参加したいにも程があります!!
、、、なのですが、
前の野水さんのイベントが予想以上に、長時間に及んだため、
私は、ラスト30分の質問コーナーのみの参加となってしまいました。
しかし、質問コーナーだけでも、
ハイクオリティアニメ製作スタジオufotableの凄さの片鱗がひしひしと伝わる
感動もののトークイベントでした!!
(質問コーナー)
Q「Fate/Zero」のようなクオリティの高い作品を作る作業工程は?
寺尾優一さん(以下・寺)
「作業工程がクオリティの高い作品を作る訳でもないんです。
ここがポイントですね。」
近藤光社長(以下・近)
「うちは新しいスタッフを育てるということをずっと続けていて、
今、東京と徳島で毎年10人くらい新しく採っています。
うちが2社目、3社目という人も多くて。
『みのりスクランブル!』は3年目以内の原画マンしか参加してはいけない
ということにしていて、
そのスタッフが今『Fate/Zero』で活躍してくれています。」
Q「Fate/Zero」のクオリティを維持する秘訣とは?
近「5年、10年、会社を続けてきた積み重ねだよね。」
寺「寝ることのできる環境をつくることです。」
近「これは大事だよね。」
Q「Fate/Zero」BD−BOX専売の理由は?
近「次の話数を観てもらいたい。
連続ものとして考えて1つのパッケージにするほうが
製作意図が伝わるんじゃないか、と。
それに全部買われる方は絶対BOXのほうがお徳なんです。
特典もすごい豪華になっていて、
単品だとコスト的に絶対無理です。
企業=悪みたいに思われているけど、
ものすごいリスクを払ってメーカーさんはやってますよ。
岩上敦宏(アニプレックスプロデューサー)がすごいユーザー目線で頑張ってて。
1年前の成功体験が全く役に立たない時代だから。」
Q「Fate/Zero」の放送ストックは?
近「ノーコメント。(笑)
予定内のスケジュールで行けています。」
寺「どんどんいい作品にしていこうという気持ちがあるので、
終わりがないんです。」
近「僕達は完成させたくない集団なので、
BD用にすごく修正が入ります。
放送版が欲しい人は放送版を録画しておいてください。
BD発売まで時間があると、どうしても直したくなっちゃうんだよね。
いいことかは分からないけど。
配分だよね。」
Q「Fate/stay night」のリメイクの予定は?
近「ありません。」
Q「今後TYPE−MOON作品をアニメ化する予定はありますか?」
近「あります。
ていうか、もう発表してるじゃん、『Girls Work』。」
Q「まなびストレート!」の続編の予定は?
近「お話をいただいたことはあります。
でも、状況が忙しくて。
『マチ★アソビ』でやった校歌を歌おうというイベントがすごく良くて、
キングのプロデューサーさんも『これはいい!』と言ってくれたので、
何かやっていきたいなと思います。
『マチ★アソビ』、今度は5月にやります。
その頃には映画館も完成しているので、
映画館とリンクしたことを何かやりたいと思います。
『Fate/Zero』放送中なので、盛り上がると思いますよ。」
Q冬の開催がなくなった分、5月の「マチ★アソビ」は規模が大きくなりますか?
近「僕自身は規模を大きくすることはあまり考えてなくて、
来てくれた人がみんな幸せになってくれるイベントを目指しているのですが、
でも、大きくなると思います。
橋の下美術館はやります。」
Q『マチ★アソビ』のコンセプトは?
近「『楽しもう。遊ぼう。』。
BSフジの『マチ★アソビ』特番、観た人ー。」
ほとんど手が上がらず。
東京では「マチ★アソビ」に関心がある人が少ないのか、
あるいは裏番組(ひだまりスケッチSP)が強敵だったのか、、、。
Qアニメ製作の際、企画を選ぶポイントは?
近「うちに来た企画は、基本的にはスタッフのところに持って行きます。
みんなひどいんですよ。
『これは無いな。』とか言うんですよ。
結構予算がかかってるんですよ。
それをバッサリ切って。」
平尾隆之さん(以下・平)
「なんで私のほうを見て言うんですか。」(笑)
近「『空の境界』の時は、もう1つ大きな企画があって、
それは今、世に出ている作品なんだけど、
僕らは『空の境界』を選びました。
スタッフのほとんどが『空の境界』をやろうと言ったので。
『Fate/Zero』は、やろうとかどうかとかじゃなくて、
これはやるんだろうな、という空気がありました。」
Q企業としての成功のポイントは?
近「みんなが喜んでくれるものをつくっていくことかな。」
Qアニメーターの年収はどのくらい?
近「うちはほとんど給料制です。
毎年ちゃんと給料が上がるというシステムでやっています。
平尾くん、ちゃんと家も建てました。」
Q今後の予定は?
近「いっぱいあります。」
Qアニメクリエーターとしてアニメファンに求めるものは?
平「楽しんで、エンジョイ、ということですね。」
近「炎上とかも僕らは好意的に見てます。
観てくれている証拠なんで。」
Q他のアニメスタジオで革新的だと思うスタジオは?
近「他のスタジオの作品を観てる余裕がないんです。
仲はいいんだけど。
今日、ここに富野(由悠季)さんが来ているそうなんだけど。(笑)
富野さんは革新的だなーと思いました。」
Qゴールデンタイムのアニメについてどう思いますか?
平「全然ありだと思います。」
近「昔に比べると作品は減ったもんね。
この中にゴールデンタイムに家にいる人ってどのくらいいます?
(ほとんど手が上がらず。)
いねーじゃん。
だったら、やっぱりこの時間帯にアニメ作っちゃダメなんだよ。
深夜帯へGOだよ。」
Q「フタコイオルタナティブ」など、過去作のBD化の予定は?
近「現状は無いです。
そこまで手がまわりません。」
Q今までの作品で個人的に一番好きなキャラは?
平「僕は『まなびストレート!』に思い入れがあるので、『まなび』で言うと光香かな。」
近「みかんちゃん、徳島来ましたよ。
大人になっていました。
みかんちゃん、『百合星人ナオコサン』にも出ているので。」
Qufotable cafeのねらい目の時間は?
近「最後の質問がこんなのとは悲しいけどね。(笑)
平日は大丈夫だと思います。」
(エンディングトーク)
平「今、インターネットなどで感想を表現しやすくなった中で、
それを受け止めるスタッフ側の問題も出てきていると思います。」
寺「積み重ねなんですね。
僕が心掛けているのは、どうやって仕事を楽しくするか。
1日10分くらい、みんな笑っていれば、まあいいかな、と。
『Fate/Zero』はマラソンなので、
まだまだ余裕を持ってみんな頑張っています。」
近「『Fate/Zero』、今スタッフがスタジオで製作頑張っています。
まず『Fate/Zero』をきちんといいものにすることで次につながって行くので、
みんな、頑張っています。
あまり肩肘張らずに楽しんでくれるといいと思います。
アニメ作るのは99%大変だと思ってるんですけど、
終わった後、超楽しいんですよ。
しかも、みんなが喜んでくれて、
今でも『まなび』がいいとか『フタコイ』がいいとか言ってくれると嬉しいし。
いい感想も悪い感想も僕達待っていますので、よろしくお願いします。」
こうして、イベントは終了。
私は1時間半のうちの30分しか参加できなかったのですが、
私が来るまでにいったいどんなトークが繰り広げられていたのか、すごく気になります!!
でも、30分とは言え、
相変わらず、アニメ製作やアニメ業界に対する強い思いを感じる
近藤社長の飄々としつつも熱いトークを東京で(笑)聴くことができたのは、
なんとも嬉しかったです!!
ログインしてコメントを確認・投稿する