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2011年09月13日21:23

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「ベニスに死す」について

「ベニスに死す」の舞台になったホテルが売却!映画ファンと観光客に衝撃
http://news.mixi.jp/view_news.pl?id=1735414&media_id=100

≪「ベニスに死す」は10月1日、ニュープリント版で銀座テアトルシネマにて陶酔のロードショー≫

 ニュープリント版は是観てみたいと思う。

 しかしながら、「ベニスに死す」という映画は、世評ほどには大した中身がある映画とは思えない。正直なところ、「見かけ倒し」ではないかとさえ思う。

 マーラーの交響曲第5番の第4楽章アダージェットのための「イメージ・ビデオ」みたいだと、最初にこの映画を観たときに思ったものである。

 昔々、初めてこの映画を観たとき、何に一番感銘を受けたかと言うと、往時のヨーロッパの上層階級の人たちが、旅に出かけるときに、いかに夥しい量の荷物を持っていくかということであった。主人公がゴンドラに溢れ返るほどのトランクやら何やらを持って旅をしている冒頭シーンにまず驚かされる。でも荷物が多くなるのも仕方がない。この時代のおカネ持ちは一日に何度も着替える必要があるのだ。ディナーの際に食堂に行くときに相応しい服装、海岸で昼寝をするときに相応しい服装、散歩をするのに相応しい服装、それぞれ時と場所に応じて適切な装いをしないと、まともな社交生活は送れないのであろう。でも避暑に出かけるのでさえこの調子であるから、冬場ならばもっと荷物は膨れ上がることであろう。

 こういう映画の観かたは、必ずしもオーソドックスではないのかも知れないが、僕の場合、映画を通じて学んだことは決して少なくはない。

 小説と同様に、映画もまた他人の人生を疑似体験する手段のひとつだからである。
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