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2011年05月29日21:13

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憂いの消失・・・。

すがる様な彼女…。しかし、夫の彼は妻の苦しさが心身ともに堪えた彼女が夫を愛するが故に依存したからだ。夫の彼は病気になった妻の介護の病院で介護者の集いに参加した。彼が唯一愚痴を言える彼女に出会った。彼女の場合い母の介護だった。彼は彼女に親近感を覚えたが彼女は別な回路を作り羽ばたいて行った。



息が苦しかった。彼女が消えて無くなってしまうのが目に見えてわかった。彼女が思いつめるほど彼に纏わりつきそして息を止めそうなくらいに責め立てた彼が本当は必要なのに彼を思いっきり罵倒したりそして苛めの限りを彼女は彼にした。

「もう、付き合えないよなぁ…こんなに依存して困らせて。」彼は心底疲れていた。彼女は「あたしが嫌いなんでしょう?そうでしょう?」激しく言い寄った。「あたしがあげた物返してよ!」彼女は若年性の認知症になってしまった。「あたしが昨日お金をバックに入れたの盗ったでしょう?」彼女が彼を盗人扱いした。

夫婦になってこんなに若くて認知症に妻がなって彼は年数が経つほど妻が憎くなってしまった。「もう勝手にしろよ!俺がしるかよ!」彼は逃げようか考えたがしかし不景気になって行く所が無かった。妻が何もかも理解が無くなるまで家で介護生活するより他に無かった。飼い犬でさえ妻の罵りあいに嫌気が差し妻を見ると唸るようになった。

彼女は40代真ん中になって発症してしまった。気分にむらがある為に良い時もありすこぶる悪い時は夫の彼に当り散らした。彼がもう限界の時に一人の女性に巡り合った彼女は中年女性で身のこなしがテキパキしていた都会的な女性だった。彼女は母が認知症で病院へ相談している時に病院の介護者の集いで出会った。彼女が酷く疲れていたので彼は「大丈夫ですか?体調がすぐれない様なお顔してますよ。」と心配そうに声を掛けた。

「ありがとうございます。最近めっきり休んだ事が無いもので疲れが出てるんです。」と彼女は答えた。「お互い大変ですよね、僕は妻ですから…。皆さん高齢者なのに家は妻ですからね…。」彼は落ち込んだ顔をした。「奥さんが認知症なんですか?」と彼女は聞き返した。「もうすぐ何もかも忘れるでしょう…。でも夫である僕には依存が酷いんです。忘れている事を僕にぶつけて来ますから僕も疲れていますよ。」彼の顔が曇っていった。

「あたしは高齢の母ですがもうおトイレも間に合わず。あたしにイライラすると当たりちらし暴言です。物取られ症候群でしょっちゅうあたしを攻め立てて言い返すだけで気力を使い果たします。」彼女はぐったりした表情だった。彼はしばし夫である自分が誰か共通の悩みを持つ別な女性に話を聞いてくれる事に気持ちが和らいだ。妻以外に気持ちを打ち明けられるんじゃないかって…。

「妻も、僕が傍に居ないと外で何もできないです。でも妻は他所の人達には機嫌よく愛想が良いです。僕はそう言った妻の顔を見ると僕に優しかった時のことを思い出してなんでこんなになちゃったんだい?って妻の顔を見るときがあります。」彼は気を落とした。「あたしは、母がもう高齢ですが他所のお婆ちゃんがちゃんと歩けるのを見ていいなぁ、他所のお婆ちゃんはまだ歩けるのに家のお母さんもう歩けないし頭がどんどん駄目になるのかしら?っていっその事もう施設に入って欲しい疲れたって思うんです。」彼女もくたくただった。

彼は妻の居る自宅に帰ってまだちょっと仕事が出来るので家で設計の仕事をしていた。彼は製図を書くのが上手かったのでCADの仕事をしていた。「ちょっと、帰ったんなら帰ったって言ってよ!わからないじゃない!ねぇ、あたしの財布どこ?盗んで使ったんでしょう!」
妻の彼女はもの凄い剣幕でまくし立てた。「俺はそんな事しなくたって見ろよ!仕事してるだろう!」彼は投げやりに答えた。

妻の彼女は「そうよね!貴方はあたしから逃げたいのよね!さっさと出て行けば!」妻は勢い良く怒鳴った。夫の彼は「そうだな…。いっそけじめがついたらお互いそう言う時が来るだろう!」と言い返した。妻の彼女は居間でひっそり涙していた。夫の彼もまた辛く苦しく涙が出てきた。

また病院の介護の集いで夫の彼はまたあの母が認知症の彼女に会った。「どうも、またお会いしましたね。」彼は少し控えめに挨拶した。彼女は「あぁ、どうも。どうですか?あれからなにか変わったことがありましたか?」と彼女は心配そうに彼に聞いた。「また同じですよ。前より妻の物忘れが酷いように思うんです。」悩んでいる彼に
「そうですか…。年配者よりお若い方が深刻かもしれないですね。」と彼女は言った。

「年配者はもう一世代時代が終わりかけていますから皆さん同情していただけます。もう母が動けなくなって頭が駄目になったらすっぐ施設に行ってくれると思いますからね。」彼女は思いつめた表情で目をそらし下を向いた。「そうですね、妻はまだ若い分体力がありますから時間が掛かりますね。」彼はそう言われて見ると妻の彼女が病院で引き取ってくれるのに時間が掛かるかもと心配になって来た。

「母がもう施設で長生きしてくれる方が本当は良いんですよ。だって下手に母を世間でいつまでも介護している方が危ないんですから。」彼女はそうしてくれた方が良いとでも言いそうな顔で一点を見つめていた。「やはり年配になってからこう言った病気ってなった方が良いですよね若くてこの病気じゃ僕達に子供がいない分負担が僕に掛かって来ますから。」彼は不安になってきた。

彼が帰宅してすっぐに「何処に行ってたのよ!何?女でもいるの?あたしの箪笥からすべて持ち出して捨てたんでしょう!言いなさいよ!。」妻がもう普通じゃない目が焦点が合ってない表情で怒鳴ってきた。「病院だよ!箪笥から何も持ち出してない!勝手に捨てる訳ないだろ!よく探せよ!」夫の彼は否応無しに掛かってくる妻の気の強さにめげていた。

彼は妻の彼女を彼女の親戚に頼もうか電話で尋ねた。「あぁ、お久しぶりです。高清水です。」「もう、皆さんにお伝えした通り彼女が若年性認知症になった件ですが皆さんのお力を貸して頂きたいんです。」彼の電話の相手は妻の実姉だった。「あぁ、雅彦さん。いろいろすみません家は子供が中学校を卒業したばっかりで高校に行きながらバイトでもしないと今の不景気に進学させるのも大変なんですよ。その下はやっと中学校でしょう?雅彦さんと信子は子供がいないけど
家はもうそろそろ難しい年だしね。どうにか信子の事は病院施設か介護施設に入れるしかないわよ。」と妻の姉は言った。

彼はもの凄く蟻地獄に嵌った様に血の気が下に下がって行った。信子から開放してもらいたい…。彼が心に強く願った。そしてまた病院の介護の集いで母を介護している彼女に会った。「どうも、どうですか奥様?」彼女は事のほか穏やかそうに振舞った。
「えっ、ええ、まぁ変わりないですよ。」彼は何か彼女の微妙な雰囲気を感じ取った。「ついこないだ家の母やっと施設に入る事が出来て…。しばらく安心ですよ。」と彼女はほころんだ「え!そうなんですか?」彼はびっくりした。

「そうなんです。施設を上手く使って母と距離を置くことが出来るようになってほっとしています。」と彼女は喜んだ。「じゃぁ、急にお一人になって静かじゃないですか?」と彼も嫌味を言った。「えぇ…、実はあたしもうすぐ遅咲きで結婚します。やっと自分らしい事が出来るんだなって今は一安心です。」と彼女も気が落ち着いた様だった。「え!ご結婚なさるんですか?まだご結婚していらしゃらなかったんですね。」彼はちょっと期待はずれだった。

彼女と付き合いたかったので彼にとって唯一介護の愚痴や憂さ晴らしが出来なくなってまた彼は息が詰まった。家に帰って妻の顔を見た彼女が夫にすがる思いを感じ取って彼女が本当に安心して生活が出来る事を夫として考えて1ヶ月後病院の医師や役所にすがる思いで自分の妻の思いやそして安全に暮らせる方法をぶつけてようやく妻は病院施設に入る事になった。ただ、妻と別れ際に「苦しませてごめんなさい。本当にありがとう。」と妻は涙で別れた。夫の彼は妻が残した心の傷を少し切なく感じた。そして一人になった…。
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