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2011年03月08日06:34

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「はじめての留学」

 図書館本「はじめての留学」堤未果、を読了。今ではジャーナリスト(ルポライター?)として、あるいは、みんなの党の川田参院議員の配偶者として有名な著者が、高校卒業後、アメリカ西海岸の短大に留学した時の生活について綴ったドキュメンタリー?エッセイ。



 キレイゴトばかりが多い留学体験記だけど、これは比較的等身大。いろんな苦労が書いてある。


 例えば、インフルエンザに罹ったのに、ホームステイ先のホストファミリーは知らん顔。食事の場に出て来なくても、まったく何の気遣いもない。1週間してやっと「あ、病気だったの?」と気づいてくれたと思ったら。奥様が聖書勉強会の仲間を連れてベッド脇にやって来て、皆でお祈りしてくれただけ(アメリカでは、今でもお祈りで一般的な病気は治そうとするらしい?)。病人用のご飯も作ってくれず、氷枕も、薬もくれず...

 ホームステイから出て、見知らぬ学生と部屋を借りルームシェアしても。著者は比較的恵まれたものの、周囲にはルームメイトに恵まれない、トラブルを抱える人が多数。著者のルームメイトも、ルームメイトが就職出来ずに悩んだり、自分探しで田舎町に引っ越したり、プレイガールだったり大学中退したり...

 さらに教師運も。真面目に課題のエッセイを書いて提出しても、担当教師から盗作だと決めつけられ、怒った著者は半年近く教師と喧嘩し続けたり(著者・堤の根気がスゴイ。私なら泣いて諦めるのに)。根気に負けたのか、その後教師とは和解したらしいけど(実際、盗作する他の日本人学生とか多かったらしく、その教師は日本人不信に陥っていたらしい...)。

 また、他の留学生の多くは、パスペーパー(日本で言うシケタイ=試験対策資料。過去のその教授の試験の資料)に頼り、ほとんど勉強せずに成績Aとか取っている(あれでは留学ではなく、長期観光だ、と著者は酷評)のに。著者はそんなものには頼らず真面目に勉強して単位を取ろうと四苦八苦。

 足として必需品の車の維持費が高額で、それを出すために、お弁当屋さんを始めたりして、家にいても遊ぶ間もなく。



 いい加減な気持ちで留学しても、まったく身にならないこと。堤なみに真面目にやるのはとてもタイヘンなこと。でも、その苦労を乗り越えれば、もしかして堤並みに有能に...?という夢が抱けること... 留学を考えている若者に、お薦め。

 なお、この本は短大卒業で終わっているけど、著者はその後、東海岸の4年生大学に転入し、最終的にはマスターまで取得しているらしい。エライ。
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