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2011年01月20日21:34

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映画【アンストッパブル】 やれること全てやりつくしてから文句を言いやがれ

1月10日、109シネマズの日に観てきました。

非常にシンプルなパニックムービーのお手本みたいな造りですが、意外と、真っ当なメッセージも隠れていて、思わぬ拾い物といったところです。
そりゃ、映画なんだから、最後はハッピーエンドだろうと判っていても、次から次へと畳み掛ける展開には、手に汗握って、終始、心臓がバクバクいってました。

デートムービー、ファミリー向けとしても良く出来ていて、まず、観て損はない作品だと思います。


http://movies.foxjapan.com/unstoppable/


ところで、既にご覧になった方の感想で、『最後のアレを最初からやれば、云々…』というのが多いのですが、このネタについては、よくよく、作品の展開を思い返していただきたいと思います。

『最後のアレは、最初からやっているし、都合3回トライして、最後の3回目が成功した。』というのが、正確なところなのです。

1回目
そもそものボンクラ2人組が平行線路上からトライするが、作業車のドアを壊して断念

2回目
単線上で、地上からは無理と見て、上空からトライするが、作業員の負傷のために断念

3回目
主人公2人の努力により列車の巡航速度が低下し、再度の作業車からのアタックに成功


この図式で見えてくるのは、『ゴールイメージは全て一緒』ということ以上に『複数の補完的手段を講じたアプローチがゴールに結びついている』ということでしょう。


兎角、この話の展開でも顕著なのが、デスクワークを中心とする意思決定層に限って、『(経済的に)実施効率のよい』手段による解決を模索しがちなことです。
しかし、そういった効率のよさというのは、全て、過去の事例から導き出されたものであり、ある種のパターン思考に過ぎません。
もちろん、過去に類似の事例があるのならば、そういったパターン処理に持ち込む効率のよさは重要でしょうし、意思決定の速度は速いと思います。

しかし、今回のお話は、かつてない未曾有の事態という事なのですから、大事なのは、過去を参照することではなく、直近に起こっている事態に対して、たとえ対処療法的であったとしても、全速力で問題の全てを潰していくという現場の実行力と、最後まで、諦めずにやり遂げるという強力なモチベーション、いわゆる『ど根性』でしょう。

例えば、火が燃えている現場で論ずるべきは、まず消火することであり、原因究明と再発防止は、その次の話です。
ところが、得てして、経営論の書物には後者を重視するようなものが多く、それらは、全て、結果論にすぎません。
経営のジャッジメントが、こういった後付けの議論に走りがちなのは、結局のところ、現場から遠いところに居るからなのでしょうね。


あらためて、今回のお話では、最も現場に近いメンバーが、思いつく限りできることを全部やった結果として成功に至ったと考えると、『確率論/理屈云々より、実行ありきのど根性だぜ!』という、真っ当な現場賛歌を謳っているように感じた次第です。

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