mixiユーザー(id:34660510)

2010年12月28日02:20

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ロックンロールにゃ老いだけど、死ぬにはちょいと早すぎる。

 ここんところ数日、老いを感じている。
 若い人たちの、いきいきとした言動に、やきもちを焼いている。
 とくに、さっそくうちに帰ってギターを練習しなきゃ、と息せき切って帰っていったきみや、定価のついた本を出版するまでは帰郷しませんよ、とあっけらかんと言ってのけたきみが。
 彼らの目的にまっすぐ向かえる行動の明瞭さ、屈託のない言葉の歯切れの良さが眩しくって、ぼくは思わず目を逸らした。
 たとえ彼らが、その内面に痛みやら憂いやらを抱えていようとも、そんなことは関係ない、ぼくのあずかり知らぬ領域だもの。
 表面的に映るのは、残酷なまでの美しさ。
 改札の向こう側に消えていくきみたちの背中には天使の羽がうっすらと見える。
 深夜のコンコースの、雑踏のただ中で、途方に暮れていた中年男を、きみたちは知るまいし、知る必要もない。


 ときどき、自分の裡にある重みに耐えきれなくなる。
 若い人たちに対抗しうる瞬発力が発揮できないように感じてしまう。
 あるのは、いままで経験し、見聞きしてきたものの情報だけのような気がする。
 自然と伸びやかに表現できていた過去の自分を、信じられない思いで振り返ってしまう。
 結局、ぼくが辛辣に批評してみせるのは、ただの意地悪に過ぎない。
 老いを感じるとは、そういうことだ。身の内側に溜まった澱に、辟易しているだけ。

 

【今日の一曲】
 ところできみは訊ねたね。イワシさんが聴くの洋楽ばかりですか? って。
 いや和物だって聴くさ。明学のサークル仲間で結成したバンドが、ホンモノになっていった過程も知ってる。
 これが全国放送生中継で流れた日にゃ、テレビの前でロックンロール! と叫んで小躍りしたもんだぜ。





 とくに故アベフトシの、ミック・ジョーンズ、ウィルコ・ジョンソンばりの高速カッティングには、心底痺れたね。

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