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2010年07月31日14:20

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【愚考】 良かれと思って

良かれと思って他人に何かを提案する、ってことってありますね。

例えばね、古い話ですけど。

昔、家庭教師をしていた頃の話です。

一時間いくらでやってたかなぁ。千円かな? 格安でやっていたのです。
その家は、まあ中流家庭といいましょうか。お金持ちでもなく、特別貧乏でもなく。
でも、特別貧乏でなくたって、やっぱり子供の教育費は痛いわけですよ。

一回に二、三時間やって、それを週に二回だったかな。
何曜日、とか決めてなくて、その都度、次はいつにしましょう、ってやってたのです。
一ヶ月に二万円前後になるわけです。

でね、でも、テストの前とかは、たくさんやりたいじゃないですか。一週間前からは毎日やりたいし、時間も長くしたい。

でも、そうすると、料金がものすごくかさんでしまうのですよ。四時間で六日やれば、それだけで二万円超える。月額にすると四万円近くなったり、越えたりするのです。

僕はそれは趣味でやってた家庭教師でね。紹介されてやったのだけど、別にお金にすごく困ってるわけでもなし、そんなにたくさんもらうのは心苦しい。


そこで、「月に二万円と決めてしまって、何時間やっても同じ料金にしませんか?」 って提案したのです。
そしたらテスト前にいくらやっても気にしなくていい。お金が気になって、「後は宿題ね」 ってことだってあったのです。

僕としては、いい提案だと思ったのです。お得プラン。
でも、拒否されてしまいました。「いままでどおりでいいです。」 って。

それはね、あとから思ったのですけど、たしかに二万円を下回る月も、なくはないのです。忙しくて週に一回になってしまった、とか、旅行に行って二回飛ばしたとか。

そういうときに、それでも二万円もらうためにそう提案した、と思われた、のかな、と後から思ったのです。確認したわけじゃないですが。(その話も直接ご両親にしたわけじゃなくて、生徒を通じて話したのです。)

まあ、別に僕はどちらでもいいので、そのまま普通に貰い続けましたけれども。
でも、平均したら絶対に二万円は優に超えてましたね。三万円も超えてたかも。
だからご両親は損をしたわけですけれども。まあいいです。



あるいはね、別の話。

何かを買おうとしているときに、それが大きな買い物で、他人に相談したら。
他人はまあアドバイスをしてくれますよね。
「こっちがいいよ、こっちの方が大きくて便利だから。」 とか、
「色はこっちの方がいいよね。」 とか。

でもさ、総合的に評価して、財布とも相談して、決めるわけじゃないですか。
そうすると、他人の意見どおりじゃないことだってありますね。

「こっちの方が大きいんだから、こっちにすればよかったのに」 って言われます。

大きいのは分かってるんです。
でも、他の条件やら、財布やらが、別のものに決めてしまうことだってあります。
それをね、一つの条件をことさら取り上げて、あっちがいいのに、と言われても、困るわけです。

これだってね、もちろん相手は良かれと思って言ってくれるわけです。
こっちがいいと思うから勧めてくれる。

でも、払うのは私だし、それについて相手より深く悩んでいるのも私なのです。
大きいから、だけでは買い物できないのです。
総合的にいいと思う方を買うしかない。



良かれと思ってした提案が拒否されるとさ、腹立たしいですよね。
特に、その提案が自分の損になるような提案の場合。

最初の例で言ったら、僕は二万円固定で損をするわけです。
損を承知で、でも相手に良かれと思って、提案してみた。

なのに拒否された。

そしたらさ、まあ僕は腹も立ちませんが、腹が立ってもおかしくないですよね。少なくとも ムッとくらいはしてもいいと思う。
せっかくこちらが損をしてまで提案してるのに、まさか拒否されるとは思わなかったよ。って。

相手にとって良い提案なのですよ。自分にとってではなくて。
提案するときには、当然喜んでもらえると思っているし、感謝されると思ってる。

そしたら拒否される。理不尽。



でもさ、決めるのは相手じゃないですか。
その結果を受け取るのも相手。
損をするのも勝手だし、小さい不便なものを使うのも勝手。

結局、相手が何を考えて決定しているのかは分からないのです。
その問題についてより深く悩んでいるのは相手なのです。
有利不利を総合的に計算できるのも相手。

だってね、こちらには相手の状況全てが分かっているわけではありません。

もしかしたら、ものすごく裕福な家庭で、僕に払うお金なんてどうでもいいのかもしれません。
あるいはすごく親切で、僕になるべくたくさんのお金をくれようとしているのかもしれません。

あるいは、その月に限り、二万円の工面もおぼつかなかったとか。だから減らしてほしかったとか。

分からないですよ。ね。
総合的に判断できるのは僕じゃないのです。
一部の事情しか知らずに提案はできますが、総合的な判断は相手がする。

だからね、拒否されたときに、腹を立ててもしょうがないな、と思って。
こっちには分からない事情があるんだな、と思って、納得するしかないのです。

別にいいじゃないですか、こっちが損をするわけじゃありませんし。
より深く理解している方が、最終的な判断を下せばいいのです。



皆さん親切だから、あるいは、効率がいい方がいいに決まってると思ってるから、相手に良かれと思って提案したり、勧めたり、しますよね。

でも、それで相手が拒否しても、それはそれで納得してあげる、事ができるといいね。
って、まあそんな事を思いました。

別に何かあったわけじゃないのですが、ふとね。
最近のことじゃなくて、昔のことを思い出して書きました。


頑張って生きよう。
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