当初、観る予定には入れてなかったんですが、周囲の反響を確認して、のこのこと劇場へ。
7月初っ端のファーストデーで観てきました。
http://office-kitano.co.jp/outrage/main.html
弱小組織の親分/大友(北野武)は、系列の上部組織から無理難題を吹っかけられてばかり。
今回は、兄弟分の組の縄張りを巡って、上層部から因縁をつけられ、上下関係と左右関係の板ばさみに悩む日々。
しかたなく、小競り合いを演じてみせるものの、上からの指示は段々とエスカレートしてきて、遂には、本格的な抗争に発展してしまう。
挙句の果てには、上層部は、手のひらを返したように大友の組織を潰しにかかって来る始末…
いやいや、まさか、やくざモノで、こんなに可笑しいコメディが撮れるとは思わなんだ。
観終わってしまえば、この作品は、大筋の部分では【その男、凶暴につき】の鏡像に過ぎないことに気づくのですが、脚色の旨みが小気味よくて、ポイントポイントごとの凄惨な場面が、逐一、笑える内容に仕上がっているのが、もの凄いです。
キャッチコピーは、『全員、悪人』となってますが、個人的には『全員、芸人』。
最後のほうは、居丈高に怒鳴り散らす彼らのアップだけで笑いそうになるくらいのアクの強さで、もう、お腹一杯になりそうでした。
演じ手は、誰もが主役を張れそうなくらいに存在感があり、椎名吉平や加瀬亮といった若手が、水を得た魚のように嬉々としてやくざもんを演じているのが、観ていて心地よかったです。
人類は、古来より、男は肉体労働、女は娼婦が天職であるとの言説どおりの展開に加えて、ある種のイケメンパラダイスっぷりに、ご婦人方が、キャピキャピしちゃうのも、理解できます。
ただ、個人的には、この2人は、所詮、太刀持ち/露払いでして、ワタクシが注目していたのは三浦友和でした。
数年前、『ミスターインクレディブル』の声を超絶的に巧くあてていたあたりから気になっていて、『転々』で、完全に評価が上向きました。
本作では、腹に一物抱えながらもそれをひた隠しに上を窺う雰囲気が非常によく出ていて、いよいよ、枯れ具合が円熟の域といったところです。
もうすぐ公開される、借りぐらしのアリエッティでも雰囲気たっぷりの芝居を聴かせてくれそうで、非常に楽しみでなりません。
また、北村総一郎に着目すると、この作品を観た後、すぐに『踊る〜』を観て、みょうちきりんな妄想に浸ってみるのも、珍味としてはアリだと思いますw
余談ですが、劇中、國村準演じる大友(北野武)の兄貴分が、大友の組が運営する賭博場に連日入り浸り、挙げ句にツケで遊び倒す描写があったりして、これは、大●親方が琴◎喜の金にたかってた図式と寸分も違わなくて、あまりにリアルで大笑い。
ヤクザのルールを角界が学んだとするなら、それは『郷に入りては郷に従え』というのでしょうか?w
リアルもフィクションも、上が下を小突き回して偉ぶってみせるというのが、ド定番なのだと気づかされる迷シーンだと思いました。
貴乃花親方が怒りの大逆襲、相撲界改革へ高まる待望論
http://news.mixi.jp/view_news.pl?id=1265714&media_id=43
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