ロマンチシズムを掻き立てずにはいられない。
これでもか。これでもか。
押し寄せくる壮大な夢の数々。
いま巷でハヤりの、「ものの考え方」。
その、ロマン溢れるアレコレを、追ってみました。
その 1.
「国益国益というけど、最近はもう国単位に考える時代じゃない」
いや別に斬新なわけではない。
昔からこういう考えはございましたよね。普通に。
しかし、なぜだか最近になって特に目に付くような。こういうことを言う人。急に増えた気がします。
先の総理も、「地球益が大事」と申しておりましたし。
「日本は世界から見たら豊かなんだし、これからは世界のためになることをしようよ。
そのためにはボクらの生活、ちょっとくらいレベル落ちちゃってもいいよね。」
「それで世界から認められるなら、最終的にはそっちの方が国益になると思う。」
ああ、これこれ。
「最終的にはそっちの方が国益になる」
このフレーズも、実に実に、折に触れ、形を変え、しばしば、お目にかかりますなァ。
「最終的にはそっちの方が国益になる」
「最終的にはそっちの方が国益になる」
「最終的にはそっちの方が国益になる」
…
その 2.
「国境なんてなくていい」
あ、「その 1.」をさらに発展させた、ということでよろしいでしょうか。
個人が個人的に夢想してみるのは楽しいかもしれん。
(しかし気を付けて。
イスラエルはじめ世界各所に散らばっているユダヤの民とか、チベットの人とか
の前では、口にしないでね。)
あたくし自身、ジョン・レノンは最上級に尊敬する芸術家ですけれども。
しかし「イマジン」を、現実の国家の、現実の政治に、現実に適用しようとは思わんな…。
その 3.
「地球の環境のために日本が率先してがんばろう」
日本が範を示せば、世界もそれに習ってついてくる。
それで少しくらい生活のレベルが落ちちゃってもいいじゃない。
…て、そればっかしだな、さっきから。
しかし、こういう考え方、日本人、好きなの。
全体のために自分は辛抱。尊き自己犠牲。…
それはさておき。
ボクらが子供の頃は、
「地球上の石油は、もってあと××年」
「発展の一方、環境汚染で」云々
て、騒がれてた。
「地球にやさしく」
「地球の資源を大切に」
が、キャッチフレーズ。
「もういいよ。産業を止めろよ」
「原始時代に逆戻りしていいの」
「生活が苦しくなるくらい我慢しようよ。地球の未来がかかってる」
…当時、少年たち同士でよく、こんなことを言い合っていたもの。
…
なんか、いろいろいろいろと、デシャ・ヴだな…。
その 4.
「世界の平和のために日本は非暴力をアピールしよう」
日本が率先して武力を手放せば、世界もそれに習ってついてくる。
無防備を宣言している国を、いったいどこが攻めるというの。
防衛のための軍備も、望ましいことではない。
他国を刺激する。野心があると勘ぐられる。
ほんの少しのことが軍国化につながる。
…
無防備であることを示せば、攻撃されない。
そう唱える人は、いらっしゃる。
さらには、もし攻められたら、と聞かれ、
何もしない、無抵抗を貫く、
とまでおっしゃる人も、いらっしゃる。
極端と思いきや、これ。
結構、日本人の琴線に触れる考え方でもある。
最後には、日本のこと、分かってくれるかもしれんね。
「生前は認められなかったが、死後、名声が高まった」
↑
こういう話、日本人、好きですよ。
「ああ亡くしてみて、やっと分かった」
かけがえない存在だったと。
滅びの美学、てのも合わさってメロメロ。
自らの尊い犠牲と引き替えに、ついに世界に平和が訪れる。
日本という国は滅びたが、世界はけして日本のことを忘れない。
…なんてことを、心の奥底で願っているのかもしれませんね。…
そ、れ、に、し、て、も。
まったく。
「憲法九条」というのは、実によくできてる。
詩として。
あれは、現実の国家に現実に適用されている現実の憲法なのか。
実に信じられない。
あれね。
あれはね。
「憲法として護られるべきもの」と言うよりは。
「ポエムとして、愛でられるべきもの」。
そういうことであれば、第一級の、アート作品だと思いますよ。
その 5.
「アメリカアメリカ。へつらってばかり。いつ本当の意味で独立するの」
これについては、過去記事をどうぞ。
[見果てぬ夢。脱アメリカ。]
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1489552845&owner_id=23976709
まだまだまだまだ。枚挙にイトマがないのですが。
こういうの、論(あげつら)ってると、どんどんみるみる
頭がホウケてキますな。…
いやいや、民主党万歳。
「国益最優先」から、
「国益度外視」へ。
世界のためには自らの損もいとわない。
実に高潔な魂、民主党。
目先の現実よりも
未来のユートピア。
先の総理のスピーチも、徹底していました。
意見といえるほどの意見も一切おっしゃらず。
考えといえるほどの考えも一切おっしゃらず。
「思い」や「願い」、「祈り」ばかり。
全編がポエトリー・リーディングで占められておりました。
「世界史名言集」みたいな本に載ることを目指していたのかもしれません。
悉く、現実の施策よりアートな表現が先行。
こんな前衛的な総理は初めて。
そして、こんな大胆な政党・政権は初めてでございます。
バンザイ、民主党。
あああああ、なんか、ものスゴ、くたびれてきた…。
[右も左もない。しいて言えば、現実政党。それが、自民党。]
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1520116171&owner_id=23976709
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