久々に息子の話です。
これは昨年の11月に息子がくれたラヴレター。
これを息子から手渡された時私は…
「ねぇ、『上』っていう字はもう習ったでしょ?
漢字で書きなさいよ、漢字で。
…ってゆーか、呼び捨て
お手紙を書く時は『〜さんへ』とか『〜さま』って書くんだったでしょ?
あぁもう、だからいつも言ってるじゃない。
力入れ過ぎるからロボットみたいな字になっちゃうんだよって
」
…などとは言わず、うるうるの瞳で息子をギゥッと抱きしめ、
母「ありがとう
」
息子「お母さん、うれしい?」
母「うん、すっごく嬉しい
ただ残念なことにお母さんはもうお父さんと結婚しちゃってるんだよね。」
息子「
」
そこに父。
父「いいよ、お母さんはたっくんにあげるから、
オレ、Rちゃんと結婚しよ〜っと
」
息子「ズルイ
やっぱ、たくがRちゃんと結婚する
」
Rちゃんとはマイミクまぁ-さん家の一番目のお嬢さんで、
ルックス良し
、性格良し
、の、みんなのマドンナ
彼女を知る男子の母はこぞって、
「Rちゃんがお嫁さんに来てくれたらなぁ〜
」
と、夢見る高嶺の花である。
Rちゃんが相手なら敗退も仕方あるまい…
私も彼女の大ファンだ。
しかしね、そこの男子たち。
所詮君たちには手の届かない存在ですよ、Rちゃんは。
ってゆーか、
自分のあずかり知らぬところで
やれ自分のものだ、いやこっちのものだと勝手に奪い合われても
Rちゃんには迷惑な話ですよ。
株価を上昇する一方のRちゃんを前に
母の株は大暴落の一途を遂げてしまいましたが
それでも息子からのラヴレターは嬉しくて、
いそいそと壁に飾ったのでした
そんなある日、(原因は忘れましたが)母にこっぴどく叱られた息子。
ややあってから、キッチンにいる私に、
「おかあさん、見て
」
言われて指差す方を見ると、例の壁に飾ってあるラヴレターの各行の下に、
大きなバツ×が書きなぐられているではありませんか!
傷ついた私は、
「あんなことくらいで取り消すほど薄っぺらな愛情だったの
」
…などとは言わず(あ、Rちゃんのことでもう取り消されてたか)、
まず、
『自分がなぜ叱られたのかということを棚に上げて
叱られたこと自体に腹を立てて仕返しするのは間違っている』
と、いうことを述べました。
そして…
「…このお手紙はね、おかあさんの宝ものなんだよ。
…たっくんがくれたお手紙だから、宝ものなんだよ…」
…私の瞳に涙がキラリーン
立ちすくむ息子。
佇む母。
…と、おもむろにランドセルから筆箱を出して消しゴムを取り出し、
ゴシゴシと自分の書きなぐったバツ×を消しはじめる息子。
母はその様子を伺い顔を背けたまま
『しめしめ…
』と、ほくそえむ。
え?涙?
もちろん意図的なものですわよ
息子「なかなか消えない…(ゴシゴシ)」
そりゃそーだ。
君は字がロボットになってしまうほど筆圧が高いからね
息子「きれいに消えない…(ゴシゴシゴシ)」
母「書かなかったことに出来るくらい
キレイに消すことなんて出来ないんだよ。
どうしても跡は残っちゃう。
人の心もおんなじ。(私、上手いこと言うな…
と、内心自画自賛)」
…と、息子の目から涙がポロポロ…
ひえっ!私、やりすぎたっ
息子、涙に目をシパシパさせながらゴシゴシ。
相当後悔しているらしい。
母「お母さんのよく消える消しゴムで一緒に消してみようか。」
二人でゴシゴシ。
ゴシゴシ。
ゴシゴシ。
紙が破れないように気をつけながらゴシゴシ。
ゴシゴシ、ゴシゴシ…
…なんとかキレイに消せた。
勿論、跡は残っているけど(笑)
息子「…おかあさん、ごめんなさい。」
母「(にっこり笑って)もういいよ。消してくれてありがとね。
さあ、また壁に貼っておこう
」
〜幕〜
いや〜、泣かせるつもりはなかったんですけどね
でもまぁ…
“人を傷つけてしまったことに自分自身が傷ついてしまう”ような子に
育ってくれているようで嬉しい母です(笑)
うっすらと残るバツ×は、いい思い出になります、必ず
女の涙に弱いのは旦那くんのDNAだな
あ、そー言えば先日、
『なく』という絵本を読んだ時に息子が
「そういえばお父さんが泣いてるとこ、見たことない。」
と、言ったので、
「なるほど、そうかもね〜))) じゃ、お母さんは?」
と、尋ねたら、
「おかあさんは悲しくても嬉しくても泣いてるじゃん。」
と、言われてしまった。
あはは〜
大人になるとね、泣くのを我慢しなくちゃいけなくなるから、
涙を押さえるために
感情が動くのを押さえつけなくちゃいけないことがたくさんある。
そうしているうちに、
心がほどけづらくなってくるんだよ、大人って。
息子よ、泣けるって、素晴らしいことなのよ。
ログインしてコメントを確認・投稿する