mixiユーザー(id:3722815)

2009年09月13日18:54

205 view

映画【ダークナイト_IMAX版】観賞記

IMAXがいいねとキミがいったから9月12日はヒース記念日。



さて、公開初日のレイトショーで観てきたダークナイト_IMAX版。
昨年、全国公開時から1ヶ月で3回観たという超ゾッコンの作品にして、観た3回ともしっかり、泣かされてしまっているワタクシです。

今回、遂に念願かなってIMAX版の観賞と相成りました。

実のところ、109シネマズ川崎にIMAXシアターが出来て以来、実際にそこで観た作品は、TFリベンジとナイトミュージアム2の2本という、どうにも微妙臭漂うラインナップ故か、イマイチIMAXの有り難みを感じないどころか、明らかにその費用対効果に疑問符をつけていました。

そんな完全アウェイな状況、四面楚歌ぶりは、まさにダークナイトのテーマにもぴったりだろうと、勝手に脳内麻薬出しまくっていたのですが…

いや、もう乾杯、もとい完敗です。

のっけの銀行強盗シーンの描写の精緻さのレベルが全く違うのに、まず驚嘆。
通常版では、全員ピエロのマスクの微妙なデザインの違いが今ひとつ判りずらいのですが、交差点に佇む背姿で左手に持ったマスクのデザインが、他のメンバーのものと全く異なるものであることが判ります。

それは、鼻下から口の周りを通って顎までが真っ青な口ひげデザイン。
敢えて喩えるなら、完全な悪人顔なんですよね。

さらには、だだっ広い銀行ロビーに反響する銃声も、それぞれの持つ銃器の微妙な音の違いが判る程です。

これって、どうでもいい事のように見えて重要なんです。
なぜなら、銃声が異なるというのは、そもそも、使用する武器の種類がみんなバラバラで、互いの弾倉等を即座に流用できないという事。
つまりは、銀行を襲った連中が、適当に寄せ集められたゴロツキである事を示しているんです。
逆にダイハードシリーズでは、マクレーンが、敵の銃火器の弾薬類が共通化されていることから、プロの集団である事を見破るシーンがあったりします。

で、ダイハードでは、マクレーンが台詞でその事を指摘して、観客に理解させているんですが、この作品は、同じ事を一切の説明なしに情景描写と音響の表現で実現してしまっているわけです。
IMAXの技術的なクオリティは、そこまで緻密に計算された映画的文法に耐えられるということなわけです。

逆に言うと、創り手側にそういう事を計算に入れて意図的に脚本を構築する能力がないと、単なるテクノロジーと予算の無駄遣いに終ってしまうのでしょう。

音響に関してはもう一カ所、病院爆破のクオリティーが段違いでした。
通常版では、2回に分かれる爆破のシーンで、1回目と2回目の爆破規模の差がそれほど感じられず、ジョーカーがことのほかビビっている描写がイマイチだったのです。

通常版の爆音が、5→8くらいのイメージであるのに対し、IMAX版では、明らかに2回目の方の規模が数倍も上ということがはっきりと判るぐらいに爆発音の違いが判ります。

あれ程の音の違いが判ってこそ、ジョーカーが爆破スイッチに八つ当たりした後に、一転して一目散に逃げる描写が、俄然、活きてきます。



一方、画的な部分に眼を向けると、より細かな部分が判る事もさることながら、微妙な濃淡の描き分けがはっきりと判別できることのメリットが大きかったです。

それは、なんちゃってバットマン達のお手製のコスチュームの安っぽさや、マスクが布製であることを明確に示してくれていますし、ゴードンの悲報を聞いて泣き崩れる家族を闇から見守るバットマンが、『体育座り』をしてショゲている様子である事までもが、はっきりと眼にみえるのです。


というわけで、ダークナイトは、間違いなくIMAXのフォーマットを十分に理解した上で、そのクオリティを最大限に活用する文法で作られている事が判ります。

この作品をダークナイトと云うのなら、通常版は、『ダークでないと』か『パックマン』ぐらいになってしまうくらいに、べ・つ・も・の・で・す。



というわけで、時間と環境が許す方は、ぜひ、お近くのIMAXシアターへ。

109川崎
http://109cinemas.net/kawasaki/
109箕面
http://109cinemas.net/minoh/
109菖蒲
http://109cinemas.net/shobu/

0 6

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する