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2009年01月17日07:24

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「宗教とは何か 上」

 「宗教とは何か 上 宗教批判をめぐる」を読了。聖書学者の田川建三氏の旧作論文を纏めた新書。田川氏の他の著書がメチャ面白かったので、読んでみた。べらんめぇ調で、ちょっとだけマルキシズムが入った視点で、宗教批判と、遠藤周作の「イエスの生涯」への書評、さらに荒井献批判を繰り広げた内容。

 宗教批判の部分は、著者のスタンスを知っていると、ほぼ予想出来る内容。文献に厳密に依存しつつ、スパイス的にマルキシズムをまぶし、という。まぁまぁ面白いけど、意外性はない。

 そうそう、旧共同訳を批判して「"心の貧しい者は幸いである"、という聖句(の翻訳)を、"心のさもしい者は幸いである"的に誤解するものがいるから、翻訳を考え直さないとダメだという論者がいるが、馬鹿か。そんな誤解をするヤツはいねぇよ」という趣旨を書いていたけど、そうかなぁ? ...実は私、そう誤解していました(^◇^;)。聖書って、皮肉や反語的表現に満ちているんだなぁ、と思っていました。なので、この部分は田川が間違っていると思うなぁ。

 遠藤批判・荒井批判は、厳密な文献研究から、ほぼケチョンケチョンに両者を批判している。荒井批判はともかく、遠藤批判はやりすぎじゃないの?イエスの評伝の形をとってはいるけれど、所詮小説でしょ?それにムキになって歴史的批判をしたって、仕方ないと思うんだけど。小説の趣旨を汲んで上げるべきだと思う。

 まぁ、田川って、書く文章は面白いし仕事も厳密で良いけれど、性格は悪そう(^_^;)。なので、荒井をはじめ敵が多いんでしょうねぇ。
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