モロッコ南部の山岳地帯…
轟音響く屋外レイヴ会場に、スペイン系の中年男ルイスが息子エステバンの手を引いて現れた。踊りにきたわけではなく、数ヶ月前に家出した娘マールを探すのが目的。レイヴに参加しているという情報を掴んでいたのだ。だが夜通し客たちにビラを配るも、娘を見た者はいない様子。
翌朝もせっせと聞き込みをして、あるグループから南の砂漠でもレイヴが開かれるという情報を得た。そのグループは、パンクなファッションで小汚い大型バン2台でやってきた五人組。クスリもやっている危険そうな連中だが、彼らが砂漠に移動すると聞き、ルイスはくっついて行こうと考えた。そっちのレイヴに行けば娘が見つかるかもしれない……
「シラート」
以下、ネタバレを引け、が最後に聴いた言葉。



毎回スクリーンを眺めながら、頭の片隅で作品の「一言要約」を考える俺。今回は、『第一幕は〈悪人が出てこないマッドマックス〉第二幕は〈ニトロが出てこない恐怖の報酬〉』としていたのだが、ラストまで観たら
『なんだかんだで地獄の黙示録』
にしようと思った。そんな映画です。
ってどんな映画だよ(笑)



人は命を失うと〈橋〉を渡るよう強要される。善人は、その細く険しい道を渡りきり天国に入れるが、悪人は渡りきれず落下して地獄に堕ちるらしい。本作のタイトル〈シラート〉は、その〈橋〉を指す。劇中で橋を渡りきったキャラたちは地獄を免れたからハッピーエンドとなるわけだが、この橋の上の試練は相当なもの。俺なら耐えられない。充分、地獄だよ。レイヴの爆音と、第三幕のアレの爆音で頭イカレそうになった。ネタバレありとしても、後半の展開は伏せておくが、概念的にハッピーエンドでも、この旅自体はオールバッドと言っておく。ツライ映画です。でも凄いし、現実の世界と人生を模写している。オススメ。
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