mixiユーザー(id:2940502)

2026年06月07日07:37

73 view

土曜ギリギリ日記805:アダムの原罪

小児科病棟に入院した4歳の男児アダム。左腕を骨折し、栄養失調・発育不全気味の外見である。どうやらシングルの母親レベッカがまともな食事を与えていないらしく、裁判所命令で彼女には面会制限が設けられていた。病棟師長ルシーは、他患者たちのケアにも忙殺されながらアダムを気にかける。レベッカがアダムを愛していることは明らかなのだが…


「アダムの原罪」


以下、ネタバレの原罪。


引き算引き算引き算引き算


「校庭」のローラ・ワンデルの二作目。前作が徹底的に子供目線だったのと対照的に、今回はかなりの客観的目線。主人公であるルシーもレベッカも、まずまずの「観客の理解の上をいく行動」に走るが、その動機は一切説明されない。ありのままの現実をただ見せられているだけで、汲み取らなくてはいけないものが多い作品。
フォト


育児にも看護にも、数式のような「正解」はない。子供の人権を守る制度だって全ての家庭に対応できるほど完璧ではない。本作は母親・看護師・病院(相談員)のズレが生むサスペンス映画と言えるが、アダムが口走る〈ママといたい、でも死にたくない〉の一言が凄まじい破壊力をもって映画の流れと時間を止めてしまう。これからどうなるか?ではなく、「そもそも」に観客の意識が立ち戻るのだ。アダムの原罪はアダムとイブのリンゴを指す言葉…即ち「そもそもの最初」について思い返せという意味と解釈した。そもそも、アダム自身はどうしたいのか?アダム自身は何を思っているのか?が一番重要なのだと。
フォト


一見、何一つ解決していないように見えるが、前進はする終わり方。秀作。
3 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2026年06月>
日 月 火 水 木 金 土
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
282930