ドイツ、とある農場…
1910年代、農家の幼い娘アルマの見る世界。死者を弔う儀式…過去の写真を並べて祈りを捧げて食事を摂る。兄フリッツや姉リアの「労災」も目撃する。
1940年代、農家の娘エリカは、叔父フリッツの不自由な脚に心を惹かれている。やがて彼女は、敗戦を目前にして近所の女性たちと共に川に身を投じて生涯を終える。ついていった幼い妹は、ウナギに手を噛まれたことで川から上がってしまい生き延びる。
1980年代、農家に住むアンゲリカは、生き延びた後悔を抱え笑わない母を見て育った。母の兄ウーヴェから「女」として扱われる身のアンゲリカは、従兄弟からも性的な興味の対象にされてしまう。
現代、ベルリンから古い農家に移り住んだ一家。思春期のリンカと幼い娘ネリーは近所の少女カヤと知り合った…
「落下音」
以下、フリッツは「ネタバレ」に遭った。



同じ場所の四つの時代を横断する構成。各パートの主人公は皆少女で、少女特有の欲望と幻想を描く物語。蝿、濁った川、そして納屋という不穏な共通モチーフで浮かび上がるのは、死のイメージと女は欲望のハケぐちであり消耗品であるという厳然たる事実。極めて難解ながらも目が離せない作品でしたね。スタンダードサイズゆえにクラシック感があり集中力が持続します。ドイツ製のA24映画のようであり、「関心領域」の切実さを継承しつつダークファンタジー味もある不思議な一本。確かにこりゃカンヌ向きだわ。
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