享保7年…
江戸・深川の酒問屋・近江屋に畜生働きで押し入った盗賊・暁一味と火付盗賊改の同心たちが店内で激闘を繰り広げて居る最中、近江屋の隠し金を静かに盗み出す者たちがいた。江戸に悪名を轟かせる大泥棒「雲霧仁左衛門」の手下である。火盗改長官・安倍式部は雲霧をなんとしても捕縛したいのだが、その素性も分からず苛立っている。そしてまた、油問屋・武蔵屋が雲霧自らの陣頭指揮で襲われてしまった。しかし今回は、式部にも収穫があった。武蔵屋で雲霧一味に拘束された盲目の按摩が、奴の正体を知っていると言い出したのだ。按摩は10年前、尾張藩の旗本だった。当時、藩の勘定方・辻蔵之助が公金横領の濡れ衣を着せられた。切腹の命を無視した蔵之助は、手練れの弟・伊織と共に逃亡。按摩はこの辻兄弟を討ち取るため派遣されたが失敗して目を失ったのだと言う。按摩は、雲霧の声は間違いなく辻伊織だと証言。式部は、立派な侍だった伊織が非情な武士社会に反発して盗賊の道に走ったのだと推察する。式部は、尾張藩に恨みを抱く雲霧は藩の膝下で盗みを働くに違いないと読み、山田・柳・高瀬ら与力たちを尾張・名古屋に派遣する。
一方、雲霧仁左衛門=辻伊織は、手下を集めて尾張での盗みを最後にすると宣言していた。狙うは呉服問屋〈松屋〉の莫大な金が眠る蔵。その在処と鍵を手に入れるため、既に美貌の部下・お千代を松屋吉兵衛の後妻にするお膳立ても整っている。しかし、松屋番頭として潜入していた三次が暁一味の残党・福右衛門に正体を見破られ、さらにその福右衛門が山田らに捕縛されたため、ついに雲霧の「最後の仕事」が火盗改に露見してしまう…
「雲霧仁左衛門」
仲代達矢死去にて、追悼の意を込めて視聴。
一言で言えば、これ時代劇版「ヒート」です。デ・ニーロVSパチーノが仲代達矢VS松本幸四郎(現・二代目白鸚)になってるわけですね。話が長ったらしいのもヒートっぽいんだけど、互いに顔を合わさないというのが本作のミソ。
とにかく顔ぶれが凄いのが特徴で、雲霧の右腕・吉五郎が長門裕之(ヴァル・キルマーの位置かな)、州走が夏八木勲。他、あおい輝彦、川谷拓三もいます。火付盗賊改方には高松英郎、石橋正次。松屋は丹波さんで、他には成田三樹夫に梅宮辰夫に宍戸錠(松竹とは思えぬメンツ)に加藤剛ですよ。松本幸四郎の父・初代白鸚が辻蔵之助役で出てきてキーパーソンになるかと思えば、与力・岡田役で山城新伍もワイルドカード的に登場します。女優陣は、お千代役・岩下志麻を筆頭に宮下順子、倍賞美津子、松坂慶子と豪華の極み。キャストだけでも結構腹一杯^_^
序盤ではミステリアスでかつ貫禄ある落ち着いた仲代さんが、だんだん現場主義になってラストは1人で殴り込み、と変化していくのが見どころ。静と動の両極端な仲代達矢を見られる一本と言えるかな。
たくさん出演作品がありましたが、個人的には、時代劇の仲代さんが好きでしたねぇ。あの目ヂカラと殺気が…ご冥福をお祈りいたします。
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