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2025年10月05日10:05

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あの日加入した東映チャンネルの凄さを僕達はまだ知らない日記:第158回「一万三千人の容疑者」

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昭和38年3月31日。台東区の公園で、4歳の男の子が消えた。近所の工務店の長男、村山明彦ちゃんだ。その後、村山家に現金を要求する電話が入り、所轄の下谷北署に本部が設置され誘拐事案として刑事たちの捜査が始まった。公園での聞き込みから160センチ前後の怪しい男が容疑者として浮上。脅迫電話の声質と訛りから福島・群馬・茨城出身の中年男と思われた。4月7日未明、明彦ちゃんの母親が現金50万を所定場所に置いたところ、刑事たちの監視をすり抜けた犯人はカネを手に入れ姿を消した。しかし子供は戻らず、警視庁は公開捜査に切り替える。脅迫電話録音音声をTVラジオで流して情報提供を呼びかけたのだ。集まった情報は1万件を越えるもクロと呼べる容疑者は1人もいないまま捜査は難航、ついに昭和40年3月、捜査本部は解散となってしまう……



「一万三千人の容疑者」

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〈昭和の大事件〉というと必ず挙がるのが「吉展ちゃん事件」。これの捜査を担当した堀刑事が書いた手記を一年後に映画化したのが本作です。主人公のベテラン刑事・堀塚は芦田伸介。誘拐された子供の母親は小山明子(大島渚夫人)が演じます。「堀塚」という役名は、おそらく堀さんと〈名刑事〉平塚八兵衛のミックスでしょう。芦田伸介の吉展ちゃん事件といえば単発ドラマ版(土曜ワイド劇場)の方が知名度は高いけど、そちらは平塚八兵衛役でしたね。


さてこの事件、日本初の要素が幾つもあるのが特徴です。まず、報道協定が初めて結ばれた事案ということ。次に「逆探知」が初めて捜査手段として認められたということ。そして、何度も犯人確保の機会を逃した反省から誘拐犯罪に特化したセクション…特殊班、のちの「SIT」設立のきっかけになった事件ということです。身代金の札番号を控え忘れたとか犯人の現金受け取り現場を見逃したとか、警察側のどでかいミスも目立つんですが、最初は〈シロ〉と判断した男を執念で自白に追い込んでいった刑事たちには「ご苦労様でした」と言いたいですね。「天国と地獄」の公開年・公開月の末日に起きた事件としても記憶に留めたいところ。スピーディーでドキュメンタリータッチの実録モノですが、堀塚ら刑事たちの人間味が沁みる良作です。


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