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2025年09月18日23:48

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水曜クビ×4日記1358:親愛なる他人

ニューヨーク…

大学で教鞭を取る建築学助教の日本人・賢治と、人形劇団演出家の中華系アメリカ人ジェーン。2人は結婚5年目の夫婦。4歳になる可愛い息子カイを育てながら、互いに仕事と育児を頑張っている。ある日、賢治が大学にカイを伴って行った際、目を離した隙にその姿が消えてしまった。捜索に当たる刑事は、「誘拐事件の多くは身内の犯行」と口にする。それを聞いた賢治にもジェーンにも、漠然とカイを連れ去った犯人の心当たりがあり…


「ディア・ストレンジャー」


以下、出合いはネタバレティックシアター。


引き算引き算引き算引き算引き算
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真利子監督の新作。「ストレンジャー」という単語と誘拐を材にとっていることからジャンル映画だと思っていたが、全く違っていた。ホラー味もサスペンス味も無いある種の絶望感しか残らない話で、現実の残酷さ・暴力性に打ちのめされるという点では、フィジカルな暴力を描いてきた監督の過去作と通じるところがある。

ストレンジャーとは他者、他人のこと。結婚とは他人同士が共同生活を送り、やがて親となり家庭を維持していくこと。それは世間的には「幸せ」だと認知されている以上、維持する努力が要求される。普通の結婚ですらそれは大変な作業なのに、賢治とジェーンには普通以上の苦労がある。互いに母国語ではない英語でのコミュニケーション、実家との関係構築、そして息子との距離感。フラストレーションは多層的にジェンガのような形になっていき、やがて誘拐事件で決壊する。本作はその危機を描いたドラマで、説明充分なエンタメ映画ではないと心して鑑賞すべき。


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賢治とジェーンが魅了されているのは「廃墟」と「人形」。どちらもファンタジーで、2人にとっては現実逃避手段のように見えた。対するドニーにはファンタジーは無い。グラフティ通りのBLANK=空虚な心だけなんだけど、初めて「家族」というファンタジーを手に入れようとしたんだろうな。でも失敗して自ら命を絶った…というのが俺の解釈。だって、賢治という現実の「父親」が正面から立ち向かってきたのだから。親の愛を知らないドニーには、賢治に対して敗北感しか無かったろう。

賢治・ジェーン・ドニーの三角関係ドラマ、というのが本作のアウトライン。3人ともそれぞれの役を完璧に演じようとモガキ苦しんで絶望していく…という話で、彼らの心情・本音は観客各々で解釈が異なるだろうから、考察系映画とも言えるだろう。俺は悪くないと思うが、古参の東映映画ファンにとっては滅茶苦茶退屈かもしれない……
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