一人暮らしが始まった。2002年だった。
「一人暮らし始めたから、遊びきてくれよ」
小中高と一緒だった幼馴染のタケヲや、高校から仲間に加わったスナオ、幼稚園時代からの付き合いのトモアキと、引越し祝いの飲み会をした。
鍋をつまんで…米か酒か、みんな好きな方を。
「拭くな拭くな!食器は洗って自然乾燥するんだよ!拭かんでいいんだ拭かんで」
グラスを布巾で拭こうとして止められたり、
「米はどんだけ研いでも水白くなるんだって!適当に諦めろ」
「いや、将太の寿司で研ぎまくったら旨くなるみたいな…?」
「えっ」
何時までも米を研いでみて止められたり、
男だけで行う初めての自炊は調理実習以下のスタートだった。
トモアキはお母さんを早くに亡くしていたので料理を自分でやる事もあったらしく、結構やってくれた。
こいつ教員なんだけど、一般常識疎いイメージなんだけどな。。。家事をやってたという経験の違いを感じた。
米の炊き方を理解したのは大きい。
俺の一人暮らしの大きな収穫だった。
アパートから勤める日々はなかなかの自由。
かつてない開放感だ。解放感?
実家にいたからといって何かが不自由な訳では無いが、風呂も便所も全て自分のテリトリーというのは結構な快適。何時何時、俺の挑戦を受けてもらえる。
ストロングスタイルな便所だ。ウンコ症候群の俺には正にふさわしい対戦相手と言える。だろう。
週休二日で連休なので、休みには彼女が来たり、友人を呼んで飲んだりゲームしたり。
出勤が九時だから通勤1時間以内の店なら八時過ぎに出れば間に合う。
一時に寝れば六時間は寝れる。
外食してのんびり帰ったり、遅めに自炊したりして、風呂入ってエロビデオ見て寝る。
自由…。
そんな日々だった。
竹ノ塚に通い、高田馬場に通い、御徒町に通い。
アメ横でエロビデオ買ったり。
日韓ワールドカップの速報でアメ横のショップ店員が湧いたりしていた5月あたり、
結構充実していた。すごく楽しかった気がする。
アメ横でエロビ買ったり、高田馬場で天ぷらの品揃え抜群の立ち食い蕎麦屋で飯食ったり、竹ノ塚で豚カツ食ったり、アメ横でオナホ買ったり。
御徒町問屋街で彼女にプラチナの指輪を買ったのは1年後の事だが、この頃があっての事かな…
入社2年目で仕事も覚えてきてパートさんの事も色々助けてあげられてた、らしい。あまり自覚なかったが。
「利根ちゃんいつも優しいし、忙しくてもイライラしないし、何聞いても教えてくれるからシフト一緒だとすごい嬉しい」
褒めてくれたのは1個歳上のパートのイガラシさんだ。
綺麗なお姉さんだったな。。。
彼女が御徒町店の店長・タケウチさんのお気に入りだったりしたこともあり、他のスタッフ…ハコモリ君やタカマツさんからの評判も良かったとの事で…
タケウチ店長が東京営業副部長のクワタさんの派閥だったことから社内での評価が上がる…。
そして竹ノ塚で東京営業部長が抑えられなかったクレームを解決…これでも株が少し上がったとかで…。
だからというわけでも無いんだろうが、
休日、彼女とのデート中に電話がかかってくる。
「利根川クン、先程社長とお話しまして、君を長野地区の新店の店長にするという許可がおりました」
えっ
えっ?
つづく
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