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2021年05月23日21:34

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読書感想

「若冲」 著者・澤田瞳子 文藝春秋

2000年の時が若冲の没後200年とキリのいい年だからか企画展がなされ注目を集めた。
それから2016年が生誕300年ってことで、あちこちで企画展や展覧会があって大盛況だったとニュースで見た。
それよりも数年前の若冲と蕪村展とか空いているときに見ておいてよかったな〜

この小説は若冲が隠居を決める壮年頃から始まってる。
錦市場にある青物問屋の長男であるにも関わらず、商売にはタッチせずに絵ばかり描いている若冲。
家業から、家族から目をそらして絵に向かう若冲の世話は異母妹が主にしていた。
そして絵に向かっていて省みてもらえない妻が首を吊ったことにより、後悔し続ける若冲がその感情を絵にこめる。
枯れた植物や生気のない動物の目など忌避される対象物すら、細密に描いていく。
若冲が絵を描くことは終わらない贖罪にもなっていた。


家業から隠居し、更に絵に没頭する若冲の贋作者が現れた。
同じ時に人気のあった丸山応挙や狩野派の絵師ではなく、伊藤若冲を贋作を作り続ける贋作者。
若冲は自分が自殺に追い込んだ妻の弟、弁蔵が自分の贋作者と知る。

亡き妻への贖罪のように絵を描き続ける若冲と、若冲を超えることで姉の復讐をしようとする弁蔵。
異母妹は若冲の世話や絵の手伝いをしつつ、描き続ける若冲を見ていく。

もともときれいなところだけではなく、死に向かう部分まで描いていた若冲。
天明の大火のあとには新しい画法で鳥獣図屏風に取り掛かり、若冲自身の死が近づいても描き続ける。

相国寺のエピソードとか同じ時代の画家が知り合いになっていたりとか。
手元にある若冲の図録や画集と照らし合わせて読んだけど、こういう解釈の仕方や人生を色づけた創作もいいなぁ。
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