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2019年05月08日02:12

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義務教育の「義務」とは何か?

■“宿題拒否で不登校”の10歳YouTuberが物議 95%が動画に低評価
(BIGLOBEニュース - 05月07日 12:59)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=258&from=diary&id=5609144

 そもそも「義務教育」の「義務」には、年端のいかない少年たちが労働力として酷使された結果、日雇労働者や、技能を持たない非熟練労働者等の産業予備軍(マルクス)に成り果てるような事態を防ぐ目的もあった。
 また、当時(19世紀後半〜20世紀にかけて)の為政者としても、常備軍の兵士として必要な大量の壮丁を予め準備しておきたかった。そのためには、将来の壮丁たる少年たちを工場や農場等における児童労働によって消耗するわけにはいかなかった。
 この2つの思惑から、義務教育は各近代国家において採用されていったという経緯がある。すなわち「子どもは教育を受けなさい」という義務というよりも「親御さんは、自分の子どもに教育を受けさせなければならない」という、親に対する義務だったのである。

 第二次大戦後に「将来の兵士を用意するための義務教育」が無くなった結果、現代の義務教育制度は親御さんに対して、次の2つの理由から教育を「義務」としている。
 
 理由� Щ劼匹發鮖�童労働から守るため。
 理由�◆Ь�来の高額納税者を育てるため。

 という、2つの理由である。

 理由�,里曚Δ倭衒僂錣蕕叉’修靴討い襪隼廚錣譴襦�しかしながら、理由�△諒�が説得力を喪いつつある。なぜなら、現在の日本の教育制度をマトモに通過したとしても「将来の高額納税者」になれるかどうかが、疑問だからだ。
 1970年代までの日本社会は「戦後において最も平等な社会」とされてきた。しかし、80年代あたりから「良い学校→良い会社→良い暮らし」というルートが、金持ちや中産階級の子弟によって独占されはじめ、日本社会の階層分化が進んでいく。80年代には表面化しなかったこの問題は、90年代、00年代と時を経るにしたがって、お金が無いばかりに進学できない家庭の増加等によって次第に表面化していく。
 そして昨今に至っては、「子どもの貧困」、「貧困の連鎖・相続」という単語に代表されるように貧困層のメンバーが増え、逆に富裕層のメンバーが固定化されていった。ここまで来ると「階層」などという生易しい概念では説明が付かず、もはや日本社会の階級社会化を認めざるを得なくなってくる。
 
 つまり、教育を通じての社会移動の可能性が殆ど断たれたのが今の日本社会なのであり、「持てる者により富が集まり、持たざる者は更に貧しくなる」(いわゆる「マタイ効果」)という社会になってしまったのだ。
 このような階級社会と化したにもかかわらず、日本の義務教育制度は3−40年前とさして変わらずに教師と暗記ドリルへの服従を生徒へ強制している。おまけに大半の青年たちに、しょーもない教育制度の出口にマトモな職と収入が用意されていないのならば、不登校になる生徒が増加しても不思議ではない…。ましてや、記事中の沖縄における「マトモな職をめぐる椅子取りゲーム」の倍率は、他の地域に比して絶望的なまでに高いのだ…。

 つまり、いくら勉強しても報われないのが、今の日本社会なのである。
 確かに義務教育制度は子どもたちを、児童労働や隷属から守る役には立っているのかもしれない。しかし、義務教育の9年間が「空しい時間」となるのなら、いったい何のための義務教育制度なのだろうか…。 

 この問題の解決方法としては、教育制度のドラスティックな改革が必須だが、それだけではダメだ。教育制度の出口に、マトモな職と収入が置かれていなければ意味がないからである。よって、マトモな雇用・社会保障政策を展開すると同時に、大量の雇用を生み出す新たな産業を興すことも必要となってくる。
  
 とかく不登校問題は「教育問題」としてのみ語られ、論じられがちであるが、とんでもない!この問題は、雇用・労働問題でもあるのだ。よって記事中の問題は、仮に件の少年を学校へと押し戻したとしても、根本的な解決にはならないのである。 
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