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2016年09月17日15:56

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土曜ギリギリ日記216:神様の思し召し

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胸部外科医トンマーゾは、〈神の手〉と呼ばれるほどの名医である。患者たちからは奇跡を起こす医者として毎日感謝されていたが、神だの奇跡だのというワードには苛立ちを隠せない。トンマーゾは筋金入りの無神論者。私が努力して腕を磨いたから患者を治せるのであって、神様は関係ないという考えなのだ。そんな彼は、家庭もオペのように完璧にコントロール。従順な妻カルラには文句を言わせないし、優秀な息子アンドレアは医学部に進ませたし、娘ビアンカは不動産屋に嫁がせたし、綻びのない人生を送っている。
ところがある日、アンドレアが医学部を辞めて神学校に行きたいと言い出した。聞けば、最近知り合った神父ピエトロの説法に感激して、自分も神父になりたいと思い始めたらしい。初めて自主性を見せた息子に動揺するトンマーゾ。しかも、自分が忌み嫌う神の道に進みたいとは…動揺から怒りに転じたトンマーゾは、息子を転向させたピエトロ神父の背景を調べてみることにした。すると、神父に窃盗の前科があることがわかった。犯罪者のエセ神父が、詐欺目的でアンドレアを誑かしたに違いない!意を決したトンマーゾは、ピエトロの化けの皮を剥がそうと、信者を装い説法会に潜入するが…

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「神様の思し召し」。傲岸不遜な外科医が、アウトロー神父と知り合うことで新しい価値観に気付くという、イタリアらしい人情喜劇。前半のトンマーゾのキャラが、マンガ的なほど大げさに〈イヤな奴〉なのが気になったが、大いに笑わせてくれて、ラストの余韻も素晴らしい作品でした。安直な展開…例えばトンマーゾが敬虔なカトリックに転向したり、教会で祈りを捧げたりしないところに、センスを感じます。日本映画にいま一番足りないのは、こういう洗練されて毒もある山田洋次風喜劇だなぁ、なんて思いました。何はともあれ、オススメの一本。

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