ハーバード法科大学院を優秀な成績で卒業したミッチ・マクディーアには、全国の大手法律事務所(ファーム)から勧誘の口が引く手数多。だが彼が就職先に選んだのは、メンフィスのこじんまりとしたファーム「ペンディ、ランバート&ロック」だった。年俸は破格の96000ドル、家もベンツも貸与され、学生時代の奨学金返済も肩代わりしてくれるという条件が最高だったのだ。貧しい生活を我慢してくれた愛妻アビーに対する恩返しの意味もあり、ミッチはボストンからメンフィスに越す決意をする。そしていざ越してみると、ファームのパートナー(上級弁護士)たちもアソシエイト(勤務弁護士)たちも皆アットホームな雰囲気で、ミッチとアビーは大満足だった。ところが出勤早々、アソシエイトのコジンスキーとホッジスという二人の同僚がケイマンでダイビング中に事故死したというニュースが入る。葬儀では、パートナーたちは全く悲しむ様子はなく、アソシエイトたちは悲しむというより、むしろ怯えている様子だ。あのアットホーム感はどこにいったのかと不審に思ったミッチは、ふとしたきっかけである事実を掴む。実はここ10年で、コジンスキーら以外にも二人のアソシエイトが事故死していたのだ。
そんな中、新米アソシエイトとしてミッチは税務担当弁護士エイバリーの補佐役を命じられる。顧客の節税対策案を捻出するのが仕事だ。早速エイバリーに同行し、顧客キャップス氏に会うためケイマン諸島へ出張するミッチ。そこで彼は、キャップスのガラの悪さから、顧客がシカゴマフィア・モロルトファミリーのフロント企業である事に気付く。ファームがやっているのは、節税どころか脱税の指南で、マフィアのマネーロンダリングに他ならない。死んだアソシエイトたちは、ファームから逃げたり告発しようとしたりして〈始末〉されたのかも知れない…そんな不安を抱えメンフィスに戻ったミッチだが、そこにFBIが現れる。彼らはファームとモロルトファミリーを長年内偵しており、ミッチに告発者になれと強要してきたのだ。FBIに従ってモロルトの情報を渡したら、守秘義務違反で弁護士資格は剥奪、おまけにマフィアに消されかけない。だが従わなければ、自分もファームの一員として逮捕は免れない。果たして八方塞りに陥ったミッチの運命は……?
「ザ・ファーム 法律事務所」。トム・クルーズが若い頃に主演した作品の中では、ダントツに面白い一本。150分以上の長尺ながら、退屈せずに楽しめます。脇が凄まじく豪華で、ジーン・ハックマン、エド・ハリス、ゲイリー・ビジー、ハル・ホルブロック、デビッド・ストラザーン、トビン・ベルと曲者揃い。女優陣ではジーン・トリプルホーンとホリー・ハンターという、まさに主演級ばかりが次々に出てきます。ハナシが地味なのに、めちゃめちゃカネかかってるように見えますよ。裁判シーンが全くない弁護士映画としても、記憶に残る一本です。
(通算1055タイトル)
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