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2016年01月24日23:51

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土曜ギリギリ(ほんとは日曜家出)日記187:「サウルの息子」

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1944年アウシュビッツ…〈シャワー室〉に同胞を黙々と誘導するユダヤ人がいた。彼らは特務員ゾンダーコマンド。収容所の囚人でありながらナチの汚れ仕事を肩代わりする者たちだ。その一人、ハンガリー出身のサウルは、寡黙で感情を一切見せない男。そんな彼が、シャワー室で死んだ少年の死体に異常なまでの関心を示した。解剖され処理されるだけの死体を何故か手元に置き、ユダヤ式にきちんと埋葬したいと言い出すサウル。他のゾンダーコマンドたちには迷惑な話だが、サウルはお構いなしに所内を奔走、ラビを探して廻るのだった。


「サウルの息子」。ハンガリーの作品。非常に重かった…以下ネタバレ。


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アウシュビッツものですが、切り口が斬新。生と死、善と悪といったわかりやすい描き方はしません。描くのはただ一つ。「死にゆく中での尊厳」です。
サウル以外のゾンダーコマンドたちは、とりあえず生を約束されながらいつ死に送られるか解らない状況で、本当の生を求めてもがき反乱を企てます。しかしサウルの中には、もはや生はありません。彼には希望がないのです。つまり…心は死んでいるんです。そんな中で、少年の埋葬という一つの目標と出会うのです。まるでゴミを処理するかのような手際で同胞の死に手を貸し続け、麻痺した心。それを生き返らせるためにサウルは走るのです。カメラは彼の顔だけにピントを合わせ、背後で展開する地獄にフォーカスは当たりません。彼の表情こそが映画の原動力であり、雄弁なダイアローグなのだから。POVの逆転発想ですね。安い感動や涙を超越したドラマがそこにありました。「他人にとって無駄なことに見える物にも、きっと意味がある」とは、朝観た「ザ・ウォーク」のセリフでしたが、奇しくもこの映画のメッセージも同じでしたね。必見中の必見です。暫定的2016年ナンバーワンといたします。
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