今朝は5時前に起床。
よくもまあ、こんな時間に目が醒めたものである。
まだ地下鉄は動いて無いから、徒歩で札幌駅へ向かう。
地下鉄で二駅だから、汁パレスから京都駅へ歩く感じである。
ただ、踏み固められ氷となった雪が滑るので実に歩きにくい。
油断をすれば足を取られる。
6時には札幌駅に到着。
既に朝の営みは始まっており、到着する列車はどれも結構な乗車率である。
7番線の「おおぞら自由席」の場所で待つが、「スーパー北斗」や「スーパーカムイ」に比べ並んでいる人は少ない。
石狩当別行きを2本、苫小牧行きを1本見送って、特急「スーパーおおぞら」が入線。
座席は6号車4番D席で、編成の一番札幌側。
7時2分、エンジンの唸りを上げ発車した。
釧路到着は11時1分で、約4時間の旅。
新札幌でも多少の乗客があり、南千歳では更に多くの乗客があった。
50%程の乗車率。
南千歳から石勝線へと入る。
夕張線を改良、延長し新得まで結ぶ新しい路線で、特急が高速で通過出来る上、従来の根室本線経由より距離も短絡化されている。
その為、北海道の背骨と云われる日高山脈を貫く幹線として建設されている。
なので、新夕張から先は人跡未踏、人口希薄地域となっている。
線路以外の人口物が無い山中は、折からの雪に覆われて、モノトーンの景色を映し出している。
日高山脈を何本もの長大トンネルで抜け、滝川から来た根室本線と合流、ループ線にもなろうかと云う線形で、新得へと一気に下る。
札幌から時間にして二時間。
新得からは十勝平野を縦断する。
平野へ出たから雪も大分と浅くなり、畑や牧場が続く。
何となく家やビルが見えて来た様な気になり、線路が高架になったら帯広に到着。
「南風」で高知に到着したような、そんな気になる。
帯広ではかなりの下車があり、逆に乗車して来る客もいたので、回りの顔ぶれが入れ替わって仕舞う。
帯広を過ぎると、めっきり雪が浅くなった。
日陰にほんの少し、斑に残っているだけである。
池田でワイン城を見上げると、段々と線形が悪くなり、速度が落ちる。
振り子式高速気動車キハ283とは云え、なかなか辛い場面。
厚内で海に出る。
ここからは海辺に付かず離れず進む。
古瀬の辺り迄は湿原を抜ける為、いかにも北海道と云う風景。
何を隠そう、根室本線の帯広から釧路までは夜行列車でしか通過した事が無く、車窓を見るのは今回が初めて。
予想以上の景色に、わざわざ時間を取って「スーパーおおぞら」に乗車したのは大正解であった。
工場等が目について、何となく賑やかになって来たと思ったら釧路で、3分の延着。
11時4分の到着。
2番線に11時13分発の根室行き快速「ノサップ」が待機しているから、地下道を急ぐ。
釧路から先、根室までの区間は19年振り。
釧路までの区間とは運転系統が完全に分離されている。
その為、花咲線と云う愛称で、別線扱い。
この区間は根釧台地の南端部に当たり、標高100〜200mの丘陵が連なり、そのまま海に落ちて行く場所もある。
そして、日本有数の人口希薄地域でもある。
釧路を出て、市街を抜けると白樺の原生林の中を行く。
原生林の小川に沿って線路が引かれているかの様で、凍りついた川面が何とも美しい。
11時59分、厚岸に到着。
この駅は氏家待合所の駅弁「かきめし」で名高い。
実は昨日、電話で駅弁を予約していたので受け取る。
以前「かきめし」は頂いた事があるから、今回は「帆立弁当」にしてみた。
厚岸で水揚げされた帆立貝にホッキ貝、アサリなども入った炊き込みご飯。
見た目の色合いと違い塩気も控え目で大変旨い。
車窓は湿地が厚岸湾、厚岸湖に連なる継承地で、丹頂鶴の生息地。
19年前は夏だったから、ここで丹頂鶴の親子を見た。
そんな景色を愛でながらの駅弁は、最高の贅沢の様に思える。
駅弁も終わり、何気に表を見たら、茶内駅に銭形のとっつあんがいた。
そして、厚床ではルパン痛気動車と交換。
噂には聞いていたが、現物を見れて感無量。
ここからは根釧台地のなだらかな丘陵が何処までも連なる、この地域独特の風景。
稲作畑作には的さず、酪農が盛んな土地である。
だから、放牧地とサイロが目に付き、なだらかな丘陵がそのまま海へと落ち込んでいる。
その谷間を川が流れたり、或いは湿地だったり、内地には見られない風景。
そんな中を走り抜け、ようやく根室に到着。
時間は13時22分で、7時2分に札幌を出てから6時間20分、長い道程であった。
13時45分の根室バスに乗り、納沙布岬を目指す。
納沙布岬はこち亀1巻の1話で、勤務態度不良な両津と中川が流された地。
同じく1巻で両津に国はどこだと聞かれた寺井が「北海道のノサップですよ」と答えてたり、今風に云うと聖地になるのか。
バスは、根釧台地がそのまま海に突き出た様な納沙布岬を走り抜け、14時29分に到着した。
次のバスは15時10分なので、暫く時間がある。
流石は海を挟んで北方領土、国境の町だけあって、領土変換の看板が目立つ。
納沙布岬の先には、両津達が流された納沙布岬派出所は無かったが、納沙布岬燈台があった。
ここから300ミリの望遠レンズで覗くと、北方領土はもう間近に見える。
この船はロシアのものかも知れない。
5〜6組程度の観光客しかいない、寂しい納沙布岬を彷徨いて15時10分のバスに乗車。
段々と日が沈み辺りが暗くなる。
市内に入り、市役所前では選挙前だけあって大いに盛り上がっていた。
バスは4分程遅れて15時58分に到着。
日もどっぷり暮れた根室駅を、16時10分の釧路行き普通列車に乗る。
日が沈み只でさえ人口希薄地域で窓外には明かりらしきものも見えない、漆黒の闇が広がっている。
時折、けたたましいタイフォンを鳴らし急制動が掛かる。
エゾシカが線路内に浸入しているのだ。
この区間は厚岸等数少ない駅を除けば殆どが自然の中を走る。
エゾシカからすれば、我が物顔に走る気動車の方が鬱陶しいと思っているに違いない。
一度、線路脇に逃げて行く二頭のエゾシカを見たが、此方の方を何度も振り向いていた。
厚岸は、流石は釧路と根室の間で一番栄えている町だけあり、5〜6人の乗客があった。
再び、漆黒の闇を走る。
一時間程で町の灯りや車のライトが目に付き18時51分、釧路に到着した。
次の特急「スーパーおおぞら12号」の発車は19時2分。
駅弁でもと思ったが、時間が時間なので、売り切れ。
仕方が無いので車販に期待。
乗り換え時間が10分程だから指定を取っておいたがその必要は全く無かった。
乗車前に女性の客室乗務員に車販はあるか確認したら、列車が発車してから弁当の注文を取りに来た。
この辺りのきめ細やかなサービスは、余所のJRではまず無い。
16年前に「スーパーおおぞら」に乗った時の感動を今に伝える。
弁当は、釧路東急ホテル謹製のサンドイッチとビール。
追加追加で三本空いてしまったが。
池田に着く前に、綺麗に片付いた。
帯広から、出張帰りと思わしきサラリーマンが乗車。
それでも指定席の乗車率は30%程。
札幌到着が23時では遅いのかも知れないが、少し寂しい。
新得の駅前は、クリスマスだからか電飾で飾られていた。
新得からは日高山脈を突き抜ける石勝線。
人気の無いトマムを過ぎ、長大トンネルを抜けてようやく南千歳。
札幌圏内に入る。
町の灯りもきらびやかな札幌近郊区間を通り、今まで人跡未踏の区間を走っていたから、何となくほっとする。
更に賑やかさが増して、23時ちょうど、札幌に到着。
約8時間掛けて納沙布岬を訪ね滞在時間は僅か40分と云う、時間を無駄にしまくったと後ろ指指されかねない旅が終わった。
今日の宿も東横イン札幌すすきの南910号室。
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