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2012年05月15日23:45

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被災は紙一重

先日宿泊した南三陸町の「ホテル観洋」は、思った以上に立派なホテルで、しかも、相当な宿泊客がいた。15時半頃にホテルに着いた時点で駐車場に車がいっぱい止まっていて、私が着いてからも、次々と観光バスから団体が入って来た。ボランティアの拠点になっているのだろう。海が見える露天風呂がある浴室も、芋の子洗い状態とまでは行かないが、洗い場で空き待ちをするほどだった。

露天風呂から見た志津川湾の眺めは風光明媚で、とても美しかった。それと同時に、大波が市街地を襲い、ひと呑みにした光景を想像すると、恐ろしくも思えた。ひょっとしたら、この風呂浸かりながら、町が海に呑み込まれる様子を見た人がいたかもしれない。目の前でとんでもない状況が起きながら、自分では何もできない状況に置かれたとき、私はどんな思いになるのだろうか。

震災から1年2か月が経過したことを割り引いても、ホテルの中にいると、まったく普通の状態で、ホテル近辺の民家も普通に建っている。しかし、翌日、市街地に行くと、そこには、信じられないような光景が広がっていた。瓦礫が散乱したような状態ではなくなっていたものの、その分、根こそぎ町がなくなった様が強調されたように思えた。

ホテルからは、車で5分、歩いても30分かからない場所だ。それが、高台にあったか、低い場所かの差で、被災するかしないかに大きく分かれている。阪神淡路大震災でも、地盤の差で三宮付近と新神戸駅付近とでは、被害の状況が大きく違っていた。

私の叔母の家は長田区の市街地にあり、隣の家は潰れて住んでいる方が亡くなっていたが、叔母の家は鉄筋コンクリート建てで、火災も免れたおかげで、ほぼ無傷だった。でも、建て替えていなかったら、恐らく、ぺしゃんこになっていたに違いない。南三陸町の市街地に立って、被災は紙一重だと改めて痛感した。

まだまだ町の復興は遠そうな印象だったが、ポツポツとコンテナハウスの仮設店舗で商売しているところがあって、そのたくましさに、ホッとした気分だった。次は、いつ行けるか分からないが、そのときには、もっと賑わった町になっていることを祈りたい。
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