メビウスですよ。
暴走してますよ。
ウルトラマンメビウス 第43話 「脅威のメビウスキラー」
大雑把なスジは、「メビウスは敵の罠にはまり、GUYS(防衛軍ね)と引き離されてしまう。仲間の助けが得られず苦戦するが、以前助けた女性の声援を受け、かろうじて強敵に打ち勝つ」。これだけ。ほんとこれだけ。
だから、「メビウス」しか知らない人(つまり!この番組のメインターゲットである幼児、小学生だ!!)にとってみたら、「いつもとたいして変わらない」いやむしろ「出てくる人が多くて誰が誰だかわからなくて、いつもよりつまらない」てな感想をもつんじゃなかろうか。
それはそうだろう。何せ、この話を「面白い」と感じるためには、膨大な(過去40年にわたり積み重ねてきた)ウルトラマンの知識が必要とされるのだ。
冒頭、4人の宇宙人(厳密にいうと「宇宙人」ではないのがいるが、それはおいといて)が会話をしてる。二人は新顔だが、一人はヤプール人。「ウルトラマンエース」の番組を通しての宿敵。何せ主題歌に名前が出てくるくらいだから。で、もう一人、黒い宇宙人はメフィラス星人。非暴力的な手段で地球をのっとろうとした頭脳派で、しかもウルトラマンと1対1のガチンコバトルでも負けなかったという強敵中の強敵。ヤプールとメフィラスがいる時点で、これはもう「最強宇宙人頂上会議」。しかも、会話を聞いていると、彼らの上に「皇帝」と呼ばれる存在がいることがわかる。
ウルトラマンの世界で「皇帝」といえば、3万年前に大軍団を率いてウルトラ一族と戦った「エンペラ星人」のことを指すと思われる。エンペラ星人の設定は「ウルトラマンタロウ」の中で、「昔話」として語られていた(当然、映像にはなっていない)だけなので、よほど真剣に「タロウ」をみていた人じゃないとすぐには思い出せないかも。
で。場面は変わって地球。ミライ君(メビウス)をデートに誘う女性。実は、劇場版「ウルトラマンメビウス&ウルトラ兄弟」でメビウスに助けられたジングウジ・アヤその人なんだけど、これも映画をみてないとわからない。で、アヤ嬢はタケナカ最高総議長の孫って設定。タケナカ最高総議長ってのは先週も出てきたけど、「ウルトラセブン」の地球防衛軍にいた「タケナカ参謀」その人。当然、演じているのも当時そのままに佐原健二氏。
デートに出かけたアヤ嬢とミライ君。そこにゴシップ記者のヒルカワが現れる。なんでわざわざ(時間もないのに)こんな無駄なカラミを入れるのか? と思っているところへ黒い帽子に黒いマントという、ブラック指令(「ウルトラマンレオ」の最後の敵)そっくりないでたちでヤプールが現れる。「レオ」を見ていた人は、ここでちょっと引っかかる。「ブラック指令とヤプールの間に、何かつながりがある(あった)のか?」
ヤプールは異次元空間から「エースキラー」を呼び出す。「エースキラー」はヤプールの作ったサイボーグ超人で、ウルトラ兄弟と同じ能力を持っている。で、さらに先週ゴモラとレッドキングを使って採取したメビウスのデータも取り込ませ「メビウスキラー」としてメビウスの前に立ちはだかる。(ちなみにこの「怪獣を使ってウルトラマンの能力を測る」という作戦は、他にもガッツ星人など、頭脳派宇宙人がよく使った手口だ。)初代エースキラーはウルトラ兄弟(当時は5人)のエネルギーを一点に集める必殺技、「スペースQ」でないと倒せなかった。エースキラー改めメビウスキラーが、普通のメビウスの技で倒せる相手じゃない。TVのこちら側で、私達は必死に頭をめぐらす。他の兄弟が助けに来るのか?新しい必殺技を考え付くのか?それとも、メビウスが負けてしまうのか?(エースキラーが登場した時点で、メビウスに「普通の勝ち」はありえない、そのくらいの強敵だということを「 私 達 は 」知っているのだ!)
そこでメビウスがとった行動が「ウルトラダイナマイト」。ウルトラ兄弟の中でも、タロウにしか使えない超必殺技で、敵を巻き込んで自爆し、のちに自分の体を再構成するという荒業。メビウスの教官がタロウだという設定がここで生きてくるわけだな。
なんとかメビウスキラーを倒したものの、疲労困憊で人間の姿に戻ったミライと、ミライを助けに来たアヤ、それからゴシップ記者のヒルカワを巻き込んで、地面が裂け、三人は異次元空間に落ちていく。ここでまた私達は思い出す。ああ、戦ってる相手はヤプールなんだと。「ウルトラマンエース」は、人間の優しさや好意につけこんでエースを追い詰める話が多く、エースが人間に裏切られる話もあったくらいだ。いままで良い仲間に恵まれてきたメビウスに、人間の汚い部分を見せ付けるドラマがこれから展開されるのだろう。
そして。怪時空波を追って宇宙へ出たGUYSが着いたのは月面。月には、誰がいる?北斗とともにエースになって戦った南夕子が帰った場所じゃないか!エースの宿敵はヤプール。そのヤプールがGUYSを誘い出したのが月。もしかして、なんらか形で夕子が姿を表すのか?
…と、まぁ。
こんな具合に。
知ってる人は果てしなくヒートアップできる話だったわけだ。
で、次週予告ですよ。
北斗星司キター
ルナチクスキター
夕子キター…?
来週も見逃せません。はぁはぁ。
・なんとなく。
「80」の最終回といい、ヤプールやメフィラス星人の扱いといい、夕子の話といい、エンペラ星人といい。
いままで、放りっぱなしだったエピソードを怒涛の勢いで回収してる「メビウス」。
光の国物語としての「ウルトラマン」の本当の最終回を描こうとしてるのかも。ちょっと寂しい。
・さらに。
メフィラス星人の声を演じているのが、40年前と同じ加藤清三氏だとか、ヤプールの人間体を演じているのが「エース」に客演していた清水宏治氏だとか、本当に本当に細かいところまで昭和ウルトラマンのネタを拾ってますです。
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