新潟…海辺の町。
父の苛烈なDVで母が痛めつけられる現場を見続けて声を失った大地。やがて母と2人暮らしの生活が始まるも、貧困と母のアルコール依存のおかげで義務教育も受けられない日々だった。住む場所も失い、落ちるところまで落ちた大地と母の未来は…
「しびれ」
以下、息をのむようなネタバレ。



いわゆる悲惨な子供時代を送った男の20 年。北村匠海を含めて4人が幼年・少年・青年期を演じている。常に各パートの背景にクリスマスがあるのが特徴。よその家族が共に過ごす時、主人公・大地の前に父はなく、酒浸りで男に性を売り身体を壊していく母がいるだけ。一瞬母親の顔は見せてくれるけども…という痛い場面が淡々と続く。そして大地が25になった時、決定的な別れと再会が待っている。
自分が親になって思うのは、子に憎まれる親にだけはなりたくないということ。愛情を注ぐのが下手でも、愛情を伝えることが不器用でも、舐められ小馬鹿にされても、憎まれたくはない。子供だって憎みたくはないんだから。
また、仮に子供から激しく憎悪を向けられ、その憎悪が子供の生きる原動力になっているなら、死ぬまで毒親を全うしろよとも思う。最後に弱々しい姿を見せるのは反則だよな。大地があまりに不憫で、あのロシア人のように抱きしめてやりたくなった。
北村匠海の無言の演技もいいが、宮沢りえと永瀬正敏の2人には凄みを感じた。単に年齢重ねただけじゃない演技に引き込まれたね。特に宮沢りえは、外見からして別人レベル。ケバい化粧の時は劣化した小柳ルミ子に見えたし、どの場面を切り取ってもリハウスやサンタフェの面影は皆無であった。多分同世代の女優で、このルックスがハマりオーラゼロにできる人はいないと思う。オススメ。
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