群馬の山中で迷子になった少年・翔平を見つけ出したボランティアの兒玉敬太。東京のスーパーで働く彼には、幼い頃に地元・長野の摩白山で弟・日向を失った過去がある。山に入り廃墟に忍び込んでかくれんぼをしている最中、日向が消えてしまったのだ。警察の調べではそんな廃墟は存在せず日向の死体も見つからずじまいであった。
翔平救出後、アパートに帰ると、実家の母からビデオテープが届いていた。同居人の司と再生して見ると、あの廃墟でかくれんぼをした時に録画した映像が流れ出す。なぜ母はそんなものを送ってきたのだろうか。真意を確かめるべく、敬太と司は長野へと向かうことに。一方そんな2人を追って、群馬新報の記者・美琴も長野行きを決めていた。翔平を助けた敬太の取材記事を書くつもりだった美琴だが、ついでに摩白山を調べたら、そこが不可解な神隠しが続発する場所とわかったからだ……
「ミッシング・チャイルド・ビデオテープ」
あまり大きな盛り上がりもなくジャンプスケアもなく、淡々としたツクリのホラーなんだけど、考察と着眼ひとつで引き込まれていく作品。少なくとも万人を怖がらせようとはしていない作品だな。俺、この物語の鍵は「大事なものを捨てる」という行為にあると思う。捨てられたものたちがあの廃墟に集まりVHSに記録されていると考える。あの世界に迷い込んだものは須く「捨てられたもの」であり、日向も司も…敬太によって捨てられたのだ、と。そして廃墟は捨てたものとの再会の場でもある…んじゃないかなと。不条理だし、霊だの呪いだのを明言もしなけりゃロジックもないんだけど、あの山がヒトを狂わせているのは間違いない。漠然とした恐怖を視覚に頼らずに映画で描くのは結構な挑戦だと思う。面白かった。
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