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2026年01月03日18:29

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巨大化

 若い頃に書いた小説を投稿します。

ある朝、目覚めると僕は自分が巨大化している事に気付いた…。



それでは始まります…。

興味のある方はどうぞ…。





 ある日の朝のこと、僕は目覚めた時、僕の目の前の様子がいつもと違うことに気付いた。
 僕の目の前にあったのは、僕の部屋ではなく、隣の家のブロック塀だった。目線を上に上げると、そこは僕の部屋の天井ではなく、大空が広がっていた。
 どうやら僕は巨大化したようだ。僕は巨大化し、自分の家を破壊し、表に寝転がっていた。目線を移動させていくと、僕の家族が、ぶるぶると震えながら僕を見つめていた。
「おはよう、父さん」
「おはよう、母さん」
「おはよう、友太」
 僕は両親と弟にそう言うとむっくと立ち上がった。
 僕は近所のブロック塀や家々を踏み潰しながら歩き出した。
 僕は電柱を一本引っこ抜いてやった。そして、それを片手に持って、再び歩き出した。
 今度はその電柱で僕のまわりの家々を破壊しながら歩き続けた。
 しばらく歩くと、僕は立ち止まって、その電柱を自分の頭上で両手でグルグルと思い切り回した。
 三国志に出て来る一騎当千の武将になった気分だった。
 僕の身長はどれくらいになったのだろう?
 電柱を10メートルとすると50メートルくらいだろうか?
 ウルトラマンに出て来る怪獣くらいはあるだろう。
 僕は相変わらず、片手に持った電柱で色々な家を破壊しながら、歩き続けた。
 ここは東京なのだが、しばらく歩いて僕は新宿のアルタ前まで出て来た。
 逃げ惑う人達。僕はアルタの巨大なテレビ画面を左手で思い切り殴り、破壊してやった。
 映像は消え、画面は真っ黒になった。
 オラオラ、踏み潰してやるぜ、この虫けらどもが!
 しばらくするとアルタ前には人っ子一人いなくなり、僕だけになった。
 僕は地面に座り込み、あぐらをかいた。
 右手で頬杖をつき、誰もいなくなったアルタ前の景色を見つめていた。
 しばらくすると眠くなってきたので、僕はそこで大の字になり眠ってしまった。
 



 
 僕はどうして巨大化したのだろう?
 誰も僕を受け入れなかったからさ。
 一人で生きるしかなくなった僕はどんどん巨大化したんだ。
 もう誰も僕には勝てないさ。
 勝つって何が?





 僕の目が覚めた時、空には美しい星達が無数にキラキラと輝いていた。
 僕はしばらく、その星達を見つめていた。
 美しい。
 上空を見つめていると、何かが天から降りてきて僕に近づいてきているのがわかった。
 だんだんゆっくりと僕に近づいてくる。
 僕は目を凝らしてみた。
 女神だ。
 衣服を何一つまとわず、背中に白い巨大な翼を生やしている。輝くゴールドの美しく長い髪を持っている。
 僕と同じくらい大きい。


「こんばんは。勇敢なヘラクレスさん」
 そう言って彼女は僕に話し掛けた。
 僕は黙っていた。
 彼女は再び話し出した。
「あなたは大きくなりすぎてしまったわ。もう皆とは一緒に暮らせないわ」
「そうなんですか?」
「行きましょう。私と」
 そう言って彼女は僕の手を取り、上空へと舞い上がり出した。
「とてもいいところよ……」
 僕の目を見つめて、にっこりと微笑んだ。
 僕は一度、地上を見下ろしたが、彼女の瞳をしっかりと見つめて、手を強く握った。
 そして、彼女の言った世界で生きようと思った。
 さよなら。バイバイ。皆。




 おわり
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