1996年。中1の少年オーウェンは、二学年上の女子マディと知り合い「ピンクオペーク」というティーン向け深夜ドラマを教えてもらった。サマーキャンプでソウルメイトとなったタラ&イザベルという2人の少女が、月のヴィラン〈ミスター憂鬱〉が送り込んでくる悪霊(怪人)を倒していくという内容だが、オーウェンはドハマりしてしまう。深夜視聴は親に許してもらえないから、マディがVHSに録画した過去回を借りてこっそりと見るオーウェン。そして2年後のある日、マディが突然の失踪を遂げ、同時に「ピンクオペーク」が打ち切られることに…
「テレビのなかに入りたい」
以下、私はTVがネタバレするのを見た。



A24だからといって何でもかんでも誉めそやす風潮は間違っているとは思うが、A24映画が独特・個性的であることは認めざるをえない。
本作はいわば思春期版「ビデオドローム」みたいな展開で、ジェームズ・ウッズにとってのスナッフビデオが思春期少年少女にとってはニチアサ的特撮ドラマということになります。TV番組が人生に於いて重要なファクターになることは大いに共感できるものの、ここにLGBTQが乗っかってくるともう俺の理解を超えてしまうというか…
主人公が大人のLGBTQ映画はキャラ本人がそうだと自覚しているからこちらも理解りやすいが、思春期で性的自認手前の状況だとなかなか気付かない。これは典型的な「当事者には刺さる。それ以外の人間は困惑」な映画だと思うね。端的に言えばTVの中に入る=自己自認&解放であり、それに成功したマディと成功しなかったオーウェンの対比の話。ツインピークス的な非現実感、1990年代の懐かしい空気、そして親や周囲からの抑圧というクィア関係なく中年に刺さる部分はあれど、やはり観客を選ぶ映画。ゆえにオススメはし難いです。
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