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2025年09月29日23:42

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水曜クビ×4日記1363:黒い袋


ロンドン、金曜日。
英国情報機関職員ジョージ・ウッドハウスは上司ミーチャムから5人の名前を託された。この5人は、局(NSCS)から機密コード〈セヴェルス〉を盗み出した可能性のある者たち。局諜報員ジェームズと、その恋人で局付心理カウンセラーのゾーイ、ジョージの同僚フレディと、彼女であるデータ分析官クラリサ、そしてジョージの妻キャサリンである。キャサリンはNSCSの高位オフィサーで、トップを狙うスティーグリッツとシノギを削る有能なスパイだった。ジョージは1週間で犯人を暴くとミーチャムに約束する。
週末、ジョージは容疑者4人をディナーに招き、その会話から犯人を絞り込もうと考えるが、フレディとクラリサの痴話喧嘩が勃発しお開きとなってしまった。歳の差カップルは上手くいかないのだ。その点うちは…と思ったジョージは、妻キャサリンに疑念を抱くようになる。今度の水曜、行き先不明の出張に出かけるキャサリン…ジョージが調べると、彼女がチューリッヒに行くことが判った。さらに、ミャンマーのオフショア口座からスイス銀行に数百万ポンドの大金が動いたとの情報も入る。口座の名義はマーガレット。キャサリンが以前使っていた偽装身分だ。キャサリンが〈セヴェルス〉を盗み何者かに売却、その収益を受け取るためのチューリッヒ行きかもしれない。ジョージはキャサリンを監視するため、局のスパイ衛星を秘密裏に3分だけリダイレクトしチューリッヒにレンズを向けた。だがこの行為が後に大問題に発展する。実はこの衛星、〈セヴェルス〉を持っていると目されるロシア系テロリスト・パヴェルチェクが潜伏するリヒテンシュタインを監視していたものだったのだ。衛星カメラがチューリッヒに向いていた3分の間にパヴェルチェクの姿が消えてしまったことから、ジョージに逃亡幇助ならびに〈セヴェルス〉強奪の疑いがかけられるのは必至だ。ジョージはまんまと〈セヴェルス〉を盗んだ真犯人にハメられたのである…

「ブラックバッグ」


以下、イエスかネタバレかで答えろ。


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監督ソダーバーグ&脚本コープのコンビ作品。愛する妻のためなら何でもやってしまうクソ真面目スパイが罠にハマるオーソドックスなスリラーと、クリスティや「探偵スルース」みたいな会話謎解き劇の融合でなかなか面白かった。古典的なプロットでありながら背景は極めて現代的なのも楽しい。イギリスのスパイものといえば、これまでは国内事案を扱うMI5と国外活動を主とするMI6(SIS)が主に描かれてきたけど、本作は新手のNSCSという機関。サイバー情報の収集と解析を行う部門でイギリス版NSAと言えるでしょうか。こういうスパイ組織・職員をSIGINTシギントと呼び、人間によるスパイ活動をヒューミントと呼びます。本作の字幕は説明無しにこの手の用語がポンポン飛び出し、おまけにネット用語もやたら口にされてるので、観客にはある程度の「素養」が必要になりますね。ただSIGINTとはいえベテラン中年のジョージやキャサリンですから、ヒューミントの経験も長いはず。キャサリンがCIAとコンタクトするときのやりとりやラストのケリのつけ具合など、昔ながらのやり方なのが良かったなぁ。ファスベンダー演じるジョージのキャラは、ルックス的には間違いなくハリー・パーマーのイメージだしね。これ、現代的スタイルで描きつつもフリーマントルやルカレに親しんだスパイ小説好きなジジイどもに向けた本格エスピオナージュ。すなわち俺の大好物!でした。ぜひぜひ。

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