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講堂内は仏像の群れだった。
四方を守る四天王──に踏みつけられる天邪鬼<あまのじゃく>まで入れると、何体いるのだろう。
背後には来迎の図が電飾されていた。
瑠璃光、寂光<じゃっこう>、瑞光<ずいこう>、
けっこう、仏教って、明るい。
鏡子さんの姿を見失ったと思ったら、電飾スクリーンの裏の廊下にいた。
えらく派手で大きな絵を見ていた。
説明はなくても、極楽の風景だとわかった。
極彩色で緻密に描かれた、仏、天人、迦陵頻伽<かりょうびんが>、空飛ぶ楽器。
転生したら極楽浄土だった件、とばかり、ニューカマーの人間もいる。
「新しいものを新しいうちに見られて、よかった」
この絵は平成の作品。
苔むした石仏の里において、逆に異彩を放つ新しい作品である。
「古くなければありがたくない、なんて、私は言わないから」
たとえば、国宝第一号・広隆寺の弥勒菩薩像は、最初は金ピカだったという。
年ふりて、木の肌が現れた現在の方も美しいが、
金色の弥勒の価値が低いわけではない。
この極彩色を極彩色のうちに見られたことを、誰に感謝しようか。
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