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2025年02月23日11:30

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春日部〜32〜終幕

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米津玄師さんのカムパネルラ…なんていうか…そんな気持ち。









最後は…どんなだったっけかな…彼女を離した事は理解に苦しむぐらい理解できない(小泉構文)。







「少しだけ…待って」






「…?」






彼女を引き留めた俺は洋室に戻り、指輪と犬のぬいぐるみ(ビーズクッション)を持って来た…。



犬のクッションは去年(2002年)のクリスマスに貰ったもので【ベグ】という名前がついている。



彼女の愛犬の【ベル】と俺の実家で飼っていた犬【モグ】※から取っている






「連れてって」

犬を持って帰るように彼女に押し付ける。





それから…








「これも…」





指輪を2つ…差し出す。

彼女と俺のペアリング。






彼女はほんの少し後ずさるみたいに身を引き、



「…やだ」




受け取りを拒否して首を振る。







…これはどうしても持って行ってもらわなければならない。







「俺を捨てる責任をとって」






本当は俺がいつか…お前に手を出した責任を取りたかったんだけど…。



叶わないみたいだから…




「やだ」





彼女は首を振る。






渡さなければいけない…






こんなものを置いて行かれたら…気が狂ってしまいそうだ。








それに…





かっこ悪いけど…ほんの少しでも望みを残したいから…


震えそうな唇を抑えて…ちゃんと伝えなければいけない。





「指輪をポストに入れてくれたら…迎えに行くから」










「…」




彼女は頷きもせずに…それを受けとった…



んだったかな…。



小さく頷いたっけか…



もう覚えてない…










きっともう…彼女は戻らない…




分かっているけど…






それでも、ほんの少しでも…望みがなければこの話を終わらせられない。








どんなに情けなくても…




1%でも…



やり直せるなら。







「…」




話は尽きた…









俺達は終わるんだ…。





「…最後に一度だけ抱きしめさせて」





思い切ってお願いしてみた。




出会って以来、初めてだな。こんな事をお願いしたのは。









要するに…











もう終わりって事だ。









俺の目を見つめて彼女は






「駄目だよ…」




大きな二重の瞳に涙をためて…ほんの少しの微笑を見せて




「また明日って…言っちゃうから」





涙がふっくらした頬に流れた…。









…言えよ…








…。






彼女は最後、何て言ったんだったか。







閉まるドアの向こうで遠ざかる彼女の足音が階段を揺らして…









それを追いかける事はもう出来なくて。












2003年9月。








…俺はシノブと別れた。



















※モグ…茶色の毛と黒い鼻回りの犬。子犬の時はモグラみたいだったのでモグと命名された。コロの子でシビックの母
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