何がって台風が。
んで、こんなのを。(〇^ω^〇)
【とっこちゃん赤ふん台風】
昔、とは言っても昭和の始め頃のお話。
ある漁村にとっこちゃんと言う4歳の女の子がいました。
ある日とっこちゃんに、大人が酔っ払っていいました。
「なあ、とっこちゃん、台風は赤ふん穿いて来るんだぞ」と。
とっこちゃんは「ほんと?!ほんとに台風は赤ふん穿いてくるの?」と聞き返しました。
大人は「ほんとだよ、台風は赤ふん穿いてやって来るんだ。ワッハハハハハ!」と笑いながら答えました。
とっこちゃんは「へぇ〜、じゃあ台風来たら見てみる」と笑顔で言いました。
次の日からとっこちゃんは、両親に「ねえ、今日は台風来ない?」と毎日聞くようになりました。
しかし、何日待ってもなかなか台風は来ませんでした。
そうして幾日も過ぎたある日、近所に一台だけあるラジオから、台風接近の情報が流れて来ました。
それを聞いた大人たちは、船を陸に揚げたり、雨戸を釘で打ち付けたりと、大あらわです。
でも、とっこちゃんだけはワクワクしていました。
やっと待ちに待った台風が来るのです。
とっこちゃんは近所のおばちゃんに「おばちゃん!おばちゃん!台風来るね!台風は赤ふん穿いて来るんだよ!」と喜色満面で言います。
おばちゃんも「あら?とっこちゃん、良く知ってるねえ」と笑って答えます。
とっこちゃんは得意そうな表情を浮かべ、また次の家に行き、同じように言って回ります。
そうこうしている内に、台風が接近して風が強くなって来ました。
とっこちゃんは「外に出て台風みる」 とお母さんに言いましたが「雨も降ってくるし、風も強くなるから外にはでれないよ」と言われました。
それでも諦め切れず、ソーッと玄関から出ようとしたところを、お母さんに見つかり叱られてしまいます。
諦めて部屋に入り、布団に潜り込みますが、頭の中は台風でいっぱいです。
[もう台風来たのかなあ?。台風見たいなあ。]とっこちゃんは布団の中で思います。
隣ではお母さんが寝息を立てて眠っています。
すると雨戸をコツコツと叩く音がしました。
そして「とっこちゃん!とっこちゃん、遊びに来たよ」と声が聞こえました。
とっこちゃんは不思議に思い、雨戸をガタガタと開けるとそこには、とっこちゃんと同じくらいの背丈の男の子が居ました。
男の子は短い浴衣を羽織って、下は赤ふん一丁でした。
とっこちゃんは「もしかして台風?だって赤ふん穿いてるもん」 と叫びました。
男の子は「オイラは台風の風太!とっこちゃんに会いに来た」と笑って言いました。
とっこちゃんの表情が明るくなり、風太に「どっから来たの?。歳は?。海の上を走って来たの?」と矢継ぎ早に質問を投げ掛けます。
風太はニコニコ笑い「南の海から来たんだ」
「歳はよく分かんないや」
「空を飛んで来たんだ」と答えました。
その後、とっこちゃんと風太は、鬼ごっこしたりお手玉をしたり、風太が南の海の話をしたりと、楽しく過ごしました。
とっこちゃんが「次は何して遊ぶ?」と聞くと風太が「とっこちゃん、オイラそろそろ行かなくちゃ」と言いました。
とっこちゃんは「え?もう?」と泣きそう顔で言いました。
風太が「うん、またね!」と言うと、強い風が吹いて来て、とっこちゃんは一瞬目を瞑り、次に目を開けた時には、風太の姿はもうありませんでした。
とっこちゃんは風に向かって「風太ー!バイバーイ!」と大きく手を振りました。
風は渦を巻いて空へ上がって行きました。
気が付くと、とっこちゃんは布団で寝て居ました。
既に家のお父さんやお母さんは、起きて台風の後始末をしています。
「夢だったのかな?」とっこちゃんは呟きます。
既に雨戸は開けられ、庭から家の中に朝の光が入って来てます。
とっこちゃんは寝室から縁側に行くと、庭の低い木に何かが引っ掛かっているのを見つけました。
縁側から庭に降りて、木に引っ掛かっている物を見ると、赤い布ようです。
広げて見るとそれは赤ふんでした。
とっこちゃんはそれを見て「夢じゃなかったんだ!」と大声で叫びました。
とっこちゃんは赤ふんを握りしめ、お母さんの所に行き「お母さん!お母さん!。昨夜(ゆうべ)台風の風太が来たんだよ!。ホントだよ!赤ふん穿いてたもん!。でね!庭の木に赤ふん忘れていったみたい!。ほら!コレ!」 と言って、握りしめていた赤ふんを見せました。
お母さんは「あら?台風は慌てん坊なのね」と笑って言いました。
とっこちゃんは空を見上げて「風太ー!赤ふん忘れてるよー!」と大声で叫びました。
台風一過の青空にびゅーと風が吹き、とっこちゃんが握りしめてる赤ふんが、風になびきました。
おしまい。
何度か書いてますが、とっこちゃんは実在の人物です。
この話は母からエピソードを聞いて、私が物語りを作りました。
因みにおばちゃんは、私の祖母です。
母から聞いてエピソードは、このくだりです。(〇^ω^〇)
よう膨らましたな私。(^_^;)
イースト菌もビックリ。(笑)
ではまた。ヾ(^_^)
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