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(朝日新聞デジタル - 01月25日 20:29)
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敗血症(はいけつしょう、英: sepsis)とは、感染症に対する制御不能な生体反応に起因する生命を脅かすような臓器障害のこと。患者数は世界で年間約2700万人で、そのうち、約800万人が死亡していると報告されている。日本での年間死亡者は10万人を超えると推計されている。
国際的な診断基準では、感染症が疑われSOFAスコア(英語版)がベースラインから2点以上増加しているものを敗血症としている。細菌・ウイルス・真菌感染症の全身に波及したもので、非常に重篤な状態であり、無治療ではショック、播種性血管内凝固症候群 (DIC)、多臓器不全などから死に至る。元々の体力低下を背景としていることが多く、治療成績も決して良好ではない。
これに対し、傷口などから細菌が血液中に侵入しただけの状態は菌血症と呼ばれ区別されるが、医学専門以外のメディア等では敗血症として表記されることも多い。また、敗血症と全身性炎症反応症候群 (SIRS) は似た概念だが、全身性炎症反応症候群は感染によらない全身性の炎症をも含む概念である。
症状
悪寒、倦怠感、鈍痛、認識力の低下、80% 程度の患者で全身の炎症を反映して著しい発熱を示すが、10-15% 程度の患者では低体温症となる。末梢血管の拡張の結果、末梢組織に十分な栄養と酸素が届かず、臓器障害や臓器灌流異常、血圧低下が出現する。進行すれば錯乱などの意識障害を来たす。播種性血管内凝固症候群を合併すると血栓が生じるために多臓器が障害(多臓器不全)され、また血小板が消費されて出血傾向となる。起炎菌が大腸菌などのグラム陰性菌であると、菌の産生した内毒素(エンドトキシン)によってエンドトキシンショックが引き起こされる。また代謝性アシドーシスと呼吸性アルカローシスの混合性酸塩基平衡異常を来たす。敗血症性ショック症状を起こすと患者の25%は死亡する。
敗血症の徴候である shaking chill(悪寒戦慄)、呼吸数>30回/分、酸素飽和度の低下、血液ガス分析 (ABG) での代謝性アシドーシス、乏尿、意識レベルの変化(大抵は低下)を危険な熱の特徴 (severe high fever) という。severe high fever の他、体温 38.5 ℃ 以上で悪寒戦慄を伴う場合、白血球数が 12000/マイクロリットル (µL) 以上、または 4000/µL 未満の場合、静脈注射で抗生物質を使うときは血液培養の適応がある。
病態
全身性炎症反応症候群のうち、感染を基盤とする全身性炎症反応症候群が敗血症である。言いかえると敗血症は感染を基盤として発症する急性循環不全である。初期には血液分布異常性ショックを呈する。血管内皮細胞の障害が深くかかわると考えられており、脳の血管内皮が障害されれば脳浮腫が起こり、肺の血管内皮が障害されれば急性呼吸窮迫症候群が起こり、四肢の血管内皮細胞が障害されれば浮腫が起こると考えられている。初期には高心拍出量性ショックを示すが、血管内皮細胞障害が進行すると低心拍出量ショックに移行する。適切な輸液負荷を行っても低血圧が継続する場合もある。
治療
Surviving Sepsis Campaign Guideline という診断と治療に関するガイドラインがある。surviving sepsis campaign guideline 2008 では、循環管理だけではなく感染対策、続発する臓器不全や周辺病態に対しての集中治療が示されている。内容としては初期蘇生、感染症治療、急性呼吸障害や腎障害の管理、血糖管理、その他に分かれている。特に初期蘇生の循環管理が early goal-direct therapy (EGDT) として纏められている。初期治療の第1選択は、輸液負荷を行い、バイタルサインや臨床症状の推移を見極める。近年の研究から、体温を冷却しながら治療を行った方が、冷却しない場合に比べて死亡率が低かったという結果が得られている。
ご冥福をお祈りいたします。
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