昨夏、グラスゴーのミュージシャン、ハウイ・リーヴと、九州ツアーをした。英語が話せない、海外に行ったこともない僕がハウイとツアーをするようになった経緯は、本題から逸れるので割愛するが、同じ年ということもあり、心もとない会話ながらも楽しい旅になった。
車中の会話で、どんなバンドが好きか、と聞かれ、一瞬答えるのをためらった。僕は十代の頃からいわゆるインディーズ音楽が好きで、日本のアイドル歌謡も海外のメジャーなロックもほとんど聴いてこなかった。それらを否定するのではなく、単に聴いてこなかったのです。
好きなバンドを聞かれ、『フォール、クローム、ナイチンゲールズ』と答え(もちろん他にもいっぱいある、メタボリストとかマークライリーとクリーパーズとかミーコンズとか)、ふーん、全然知らない、と曖昧な笑顔で返され、会話が終わる。そんな場面に何度も遭遇してきた。ハウイは同じ年だし、世界中をベースを担いで旅する音楽家だし、グラスゴーだし、きっと知ってるよなー、でも知らないかもなー、一昨年移動中にミーコンズのリコ・ベルのCDをかけた時も反応薄かったしなー、と、あまり期待せずにフォールの名を出すと、良いね、知ってる、イギリスならではのバンドだ、と言う。嬉しくなってナイチンゲールズの名を出すと、あー、僕もナイチンケールズ好きだよ!!と。思わずハンドルから手を離して握手しそうになった。彼らはとても良いバンドだ、ナイチンゲールズは今、彼らの自伝的映画を撮っているらしいよ、と垂涎の情報まで教えてくれた。
コウジ、ノーズフルーツは知ってる?ナイチンゲールズが好きならきっと気に入るよ。その時ハウイから聞いて、僕は初めてノーズフルーツというバンドの存在を知った。有難う、調べてみるね、そう応えたものの、その名前を忘れてしまっていた。
Discogsという素晴らしいサイトがある。ここは簡単に言うと、今まで世界でリリースされた音源(カセット、レコード、CD)のアーカイブで、アーティスト、レーベルなどにリンクが貼られており、ある情報からリンクを辿って広大な関連情報を入手できる。僕は時間がある時(ない時も)よくこのサイトを見ている。例えば、あのバンドの何枚目でギターを弾いていた何某が以前所属していたバンドが80年に1枚だけ出した7インチを出していたレーベルから10インチを出しているこのバンド、名前は聞いたことあるけど・・・みたいに情報を辿る面白さがある。
一月二日の昼(つまり今)、僕はまたこのサイトを見ていた。ナイチンゲールズのロバート・ロイドが運営していたレーベル、ビンダルーレコードのカタログを見ていて、このレーベルが最初に出したアーティスト、レッグス・アキンボに目が留まった。なんか名前聞いたことあるけど、音は知らないな、と思い彼のバイオグラフィーを見ると、なんとノーズフルーツのメンバーだった。ハウイが言っていた、あのバンドだ。
この、いろんなことが一つの線でつながる瞬間の驚き、嬉しさ。Discogsには各アーティストの音源が聞けるYouTubeリンクもあって、早速ノーズフルーツを聞いてみる。おお、これは良い!!バンド名から勝手にハッピーフラワーズみたいなジャンクな音を想像していたけれど、もっと楽曲はまとまっていて、確かにナイチンゲールズにも似ていて・・・と思ったら、80年代後期ナイチンゲールズでドラムを叩いていたロン・コリンズがメンバーだった、うわー、うわー、うわー!!
Discogsの良いところは、アーカイブがマーケットにつながっていて、ほしい音源を売り買い出来ること。早速ノーズフルーツの音源を買うかどうか、楽しくも悩ましい正月の昼下がりです。
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