ロンドンで中華料理店を営む中国人クワンが、市内で起きた爆弾テロの巻き添えで娘を失った。北アイルランドのテロ組織UDIが使っていたセムテックスが使用されていたことから、警察はUDIの犯行と断定するが、実行犯逮捕には至らなかった。北アイルランド政府で副首相の要職に就いているリアム・ヘネシーは、現在はイギリス寄りの穏健派だが、その昔はUDIの爆弾闘争に参加した闘士だった。今もUDI幹部たちを掌握しているつもりだったが、その中の誰かがヘネシーに無断でテロ攻撃を仕掛けてしまったようだ。何とかその跳ねっかえりを見つけて内々に処理しようと考えるヘネシーだったが、そんな彼の前に、クワンが現れる。TVでヘネシーの経歴を知った彼は、ヘネシーならテロ実行犯を知っているだろうと思い込み、わざわざベルファストのオフィスまで会いに来たのだ。当然ながら追い返すヘネシーだったが、クワンはあっさり引き下がったようにみせてオフィスのトイレを爆破して去っていく。クワンの宿泊先に兵士を送り込み捕らえようとしたヘネシーだが、兵士たちが返り討ちに遭うと恐怖を覚え、田舎の農場に潜んで護衛たちに囲ませる。だがクワンは、何としても実行犯の名前を聞き出すまでヘネシーにプレッシャーを与える肚つもりだった。森に潜伏しながら納屋とクルマを爆破し護衛たちを次々と倒していくクワンに怯えるヘネシー。調べてみると、クワンという男、ただの中国系移民のオヤジではなく、元米軍特殊部隊員としてベトナムで暴れたランボーみたいな奴らしい。おいおい、俺だってまだ実行犯の正体掴んでねーよ!と泣きそうなヘネシーだが、そんななか第2のテロがロンドンで発生し…
「フォーリナー/復讐者」。
以下、フォーリナー/ネタバレ者。


エンディングにNG集はないものの、中国資本だし製作にも噛んでるし、ブロスナンより前に名前も出るしで、紛れもなく「ジャッキー映画」なんですが、あまりにも過去の映画とテイストが違いすぎる作品。娘が殺されて犯人に復讐するって話なら納得ですよ。大抵ジャッキーの娘は酷い目に遭うし、よくあるジャンル映画の体裁ですから。しかし本作はそーゆー単純な話ではありません。「怒りのあまり発狂したジャッキーが、犯人を知っていそうな政治家をストーカーする」という映画なんですから。しかも本筋が、ジャッキーとは食い合わせが悪そうなポリティカルスリラーなんですよ。ジャッキーファンは呆然となっちゃうでしょうね。
じゃあダメ映画かというと、全くそんなことはなく、さすがはキャンベル監督、スジの運びはスムーズだし、見やすいアクションに迫力とスリルはあるし、ちゃんと及第点。ブロスナンはまさに踏んだり蹴ったりのキャラで、パナマの仕立屋以来の道化的役どころで楽しかったですよ。
そういえば、一時期古本屋行ったら新潮文庫の「チャイナマン」が必ず棚にあったなぁ。まだ海外のエンタメ小説が売れてた時代の作品でしたな。懐かしい。元ベトコンvs IRAの原作が今でも通用するってことは、現実の世界情勢が昔に逆戻りしていることを示しているのかもしれないですね。EU離脱の問題で北アイルランド紛争再燃の懸念が高まるなか、実はこれ、結構タイムリーな映画なんですよね。
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