江戸時代の庶民の楽しみはと言えば、仲間が揃っての近場の旅だろう。
江戸からさほど遠くない場所にある「大山参り」は今の神奈川県の伊勢原市
にあって、古くから山岳信仰の拠点として、雨乞いの霊山として知られていた。
大山講は全国的に信仰を集めたが、特に関東地方で盛んだった。
江戸から大山へ参る経路にはいくつもあるが、代表的だったのは、藤沢の宿
の西の立て場、四ツ屋から北上する道である。分岐点は、藤沢市城南でそこ
には、現在でも1676年銘の不動尊石塔を祀った四ツ谷不動堂や一の鳥居が
立っている。
この辺りを描いたのが上の図である。ここの名物は、「管簾」(くだすだれ)で、細
長い管と丸い玉を交互につないだ色鮮やかな簾で、著者は「至って見事」と褒め
ている。軒先や竿に飾ってお客に勧めたようだ。
大山講の人たちが願文を書いて奉納する太刀(納太刀)というものも、ここにはある
と筆者は書いている。
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