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2016年06月05日15:37

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1000タイトル突破! 最後のDVD収集日記…M*A*S*H マッシュ

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朝鮮戦争下…最前線から5キロ後方の移動型野戦病院(マッシュ)に二人の外科医が赴任した。イタズラと酒を愛するホークアイと、ナンパが趣味のデュークだ。到着早々、二人は同室の軍医フランクのクソ真面目ぶりに辟易してしまう。モラルを遵守するフランクは、毎夜ホークアイらの態度の悪さに文句を言い、聖書を手にお祈りを延々と唸るのだ。たまりかねたホークアイは、病院指揮官である中佐の元に行き、心臓外科医を補充してフランクを部屋から追い出してくれと頼むのだった。というわけで新たにやって来たのはトラッパー・ジョンというむさ苦しいヒゲの外科医。この男、デューク以上に女好きで、ホークアイ以上に悪ノリが過ぎるとんでもない奴だった。三人はチームで行動し、オペが終わると酒を浴びてどんちゃん騒ぎを繰り返していく。そこに、新任の婦長オフラーハンが着任。頭の固い彼女は、フランクと結託して三人を告発する手紙を司令部に送ろうと考える。そんなことは意に介さないトラッパーは、逆に彼女がフランクといい仲になっていることを聞きつけ、二人の濡れ場にマイクを仕込み、病院中に喘ぎ声を放送してしまうのだった…

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「M*A*S*H」。アルトマンとドナルド・サザーランドの出世作品として有名ですね。いくつものエピソードを積み重ねるだけで大きなスジは無いんですが、各エピソードのギャグと毒のバカらしさから退屈しません。スピーカー放送のインサートを章変えのアクセントとして用いているのが特徴で、全エピソードを通して見ると、下品なジョークでもやってなければ戦下で正気は保てないという大テーマが浮かび上がる仕組みになっています。

単に観ただけでも充分楽しいんですが、製作の経緯を知ると、面白味が倍増する作品でもあります。当時、ベトナム戦争の最中、ニューシネマ派の脚本家ランドナーは「マッシュ」の原作を読み、20世紀フォックスのザナックに話を持って行きます。保守的な社風のフォックスですが、ザナックは意外と乗り気で、製作にゴーを出します。そこでテレビ出身のアルトマンが監督として起用されるのですが、彼の映画作りがまたメチャクチャで、まるで撮影現場がマッシュそのものだったそうです。脚本に書かれたセリフは完全に無視、アドリブを奨励し、互いにセリフが被さってもNGにしないでやっていったのです。仕事にあぶれ何とか本作で主役を射止めたサザーランドも、さすがにこのやり方に文句を唱えたそうです。現場でこういった騒動が持ち上がると20世紀フォックスの重役あたりが口を出してきそうなもんですが、当時彼らは「トラトラトラ」と「パットン」という正に保守的な二大プロジェクトで忙殺され、マッシュの存在も知らなかったのだそうです。おかげでアルトマンの思い通りに撮影は終了。そして無理矢理公開にこぎ着けてみると、予想外のヒット。時代が、アルトマン流の反体制&デタラメなノリを歓迎したということですね。
しかし旧態依然のハリウッド映画業界の中では評価は低く、褒めるべきはスジだけだろうと脚本のランドナーにオスカーをあげちゃうんですね。書いたセリフをほとんど改変されちゃった人に(笑)。

反骨・反体制派が目をつけた題材を、アルトマンという変人がさらに映画システムそのものに反骨・反体制精神を発揮して作り上げた「マッシュ」。観ておくべき作品です。

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