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2016年02月28日18:00

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大動脈は破裂する。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160225-00000059-asahi-soci
 成人の心臓手術で石灰化した大動脈を見る頻度は非常に高く感じる。まさにバリバリしている。循環器外科医なら皆ご存知の筈の事で、見慣れ過ぎて感覚が痲痹されるくらいではないかとも想像してしまう。
 大動脈が石灰化していると云う事は、動脈硬化があると云うレベルのお話どころではなく、動脈硬化の成れの果てと云う表現になるのではないか。骨ではないところが骨の如くになれば通常の胸部X線写真ではっきり見える。出来上がってしまえば、全周に渡り存在するので大動脈弓部ではさながら金環蝕の如しとなる。勿論ごく小さいものでは肺内を含め体の中で前後のものと区別は附けられないので判別は難しい。CTスキャンでも用いなければならない。
 微細で判別が難しいものを論じなくとも、成人の通常の胸部X線写真で石灰化した大動脈は実は次から次へと目に飛び込んでくる。動脈なので胸部でなくとも腹部でも腰椎でも通常のX線写真で目には着く。そして解剖もされない突然死のお方の真の死因に大動脈の破裂はかなりの割合であるのではないか、とずっと感じている。動脈硬化の成れの果てとは、何時爆発しても不思議はない爆弾であろう。爆弾も大きければ大きい程危険は高かろうし、爆弾には早く気附くべきかも知れないし、爆弾を作らないようにもすべきかも知れない。
 ところで、通常の胸部X線写真を含む一般的な健康診査で異状なし、とされた事を仰せのお方の写真をお取りして拝見して、石灰化した大動脈を見てしまう。循環器外科医や或いは麻酔科医にとって見慣れた日常風景であっても、健康診査で動脈硬化の成れの果てが異状と判定されない。恐らくは、その体験として困った事を解決しようと云う、或いは患者の方のお訴えに対して病気と認識する経験でないと、異状なものにはならないのかも知れない。
 いや、それと気附く日常風景でもその意義を見出されないのかも知れないが、異状と気附かれなければその先の意義になど到達しようもないであろう。
 これは随筆である。今の小生に医学論文を仕立て上げる体力も財力も気力も智力も時間も存在しない。
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