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2015年05月08日13:19

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DVD終焉の序曲:第78回『ダーティファイター』

ロサンゼルスで親友のオービルとジャンク屋&トラック運送を手がけるワイルドな男、ファイロ・ベドー。だが彼の稼ぎのメインは、オービルがマネージメントして行われるストリートファイトのファイトマネーであった。今日も肩慣らしにバーで喧嘩をふっかけてLAPDのやさぐれ警官パトナムを叩きのめし、ルール無用のファイトに臨む。連戦連勝で物足りなく感じているファイロは、いつかコロラドにいる伝説のファイター、<タンク・マードック>と勝負してみたいと思っていた。そんなファイロは、ある日カントリーバー「パロミノ」で、ステージで唄う女性歌手リン・テイラーにひと目惚れしてしまう。ファイロに口説かれ、まんざらでも無い様子のリンだったが、彼女にはデンバーでスターとなるために必要なヒモ・スカイラーが居た。ファイロはスカイラーに直談判するため、二人が宿泊するトレーラーパークに出向くが、すでにリンたちは出発したあとだった。リンを諦めきれないファイロは、一路デンバーを目指してトラックを走らせるのだが・・・



「ダーティファイター」。イーストウッド主演の作品。オランウータンのクライドや、親友のオービルを伴って喧嘩屋が旅に出るというロード・コメディ・ムービーでございます。途中、LAで揉めた弱小暴走族<ブラックウィドー>と戦ったり、警官パトナムに追われたり、生活費稼ぎにストリートファイトに挑んだりと・・・まあユルい展開が続きます。
これでリンと再会し、スカイラーを倒したあと、恋人同士になってハッピーエンド・・・だったら、もう二度と見ないし忘れてしまう作品になるとこでした。実はこの、あまりに退屈でツマラナイ映画のキモは、物語の終わり部分にあるんですよね。


オチを言ってしまうと、結局ファイロはリンに振られます。リンってオンナ、行く先々で男をその気にさせてたぶらかす性悪だったんですね。ヒモのスカイラーも、別にコワモテでも何でもない普通の男。ファイロは怒る気も無くして、リンの元から去るのです。そして、せっかくデンバーに来たからと<タンク・マードック>と勝負するんですが、このタンクが物凄く弱いんですね。あっという間にファイロは、自分が勝つ事を悟るんです。でも・・・ファイロはわざと力を抜いて、タンクに負けるんですね。このオチが、俺の心の琴線に触れました。本作のイーストウッドは、腕力はあるけどヒーローでも何でもないんです。結局リンというトロフィーを手に入れることは出来ないんですから。それでも、自分の不器用な生き方=ストリートファイトにはそれなりの矜持を持っているんです。伝説である<タンク・マードック>をKOしてしまうことは、伝説を壊してしまう=自分の生き方を否定する、ということになるんですね。だからこそ、自ら負けるのです。こういう終わり方に、「アメリカン・ニューシネマ」の残滓を感じ取る事ができます。俺はキライじゃありませんね、これ。

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