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2015年04月20日13:19

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DVD終焉の序曲:第74回『狼の死刑宣告』

サウスキャロライナ。「スターフィッシュ投資」でリスクマネージャー兼副社長として働くビジネスマン、ニック・フュームは、素晴らしい家族に恵まれている。美人で教師でもある妻ヘレン。運動神経抜群で、ホッケーで大学進学が決まった高校生の長男ブレンダン。芸術家肌で母似の大人しい中学生の次男ルーカス。そんな4人家族で幸せな生活を送っていたニックに、ある日悲劇が遅いかかる。週末の夜、ニックとブレンダンが寄ったガソリンスタンドに覆面をした強盗グループが現れ、店主とブレンダンを殺害してしまったのだ。電話をかけていて外にいたニックは無傷で、逃げ遅れたグループの一人の顔を確認した。すぐさま犯人・・・ジョーが逮捕され起訴されるが、凶器も返り血もないことから、検察の切り札はニックの証言しかない。有罪に持ち込めても、懲役5年が関の山だと検事に言われ、絶望するニック。そこで彼は、予審で目撃証言を翻し、ジョーを自由の身にしてしまう。釈放されたジョーを、自分の手で片付けようと衝動的に決めてしまったのだ。裁判所から放免されたジョーを尾行し、深夜その家に忍び込んでナイフで刺殺してしまうニック。だが、彼は知らなかった。ジョーは地元のギャングを仕切る極悪人ビリーの弟だったのだ。ビリーは、ジョー殺害がニックの復讐であることを見抜き、すぐさま会社帰りのニックを襲撃して殺害しようとする。辛くも逃げ延び自宅に戻ったニックだったが、逃げる時に捨てたアタッシェケースがビリーの手に渡ってしまい、自宅の場所も、ヘレンやルーカスの存在も知られてしまう。ニックは警察の保護を受ける事になるが、それも虚しく、ビリー率いるギャング団に襲撃され、ヘレンが死に、ルーカスが意識不明の重体に陥ってしまった。自らも傷つき入院することになったニックだが、家族をめちゃめちゃにされた怒りはおさまる事はなかった。彼はビリーのアジトを見つけ出すと、闇社会の売人から銃を手に入れ、決死の殴り込みを開始してしまうのだった・・・


「狼の死刑宣告」。
古典的復讐バイオレンス・・・すなわちB級のアクションスリラーと世間では捉えられていますが、私はこれ、相当な秀作だと思っています。ブレンダンが死んだ後、ヘレンやルーカスが感じる悲しみもキッチリ描いていますし、決して爽快感がない復讐の連鎖というドラマも、説教臭くなく、それでいて軽くもなく、娯楽とシリアスの絶妙なバランスで描ききっています。ニックを演じるベーコン兄さんの前半/後半のギャップも凄まじく、これぞ名演という演技を堪能できます。立体駐車場の長回しの凄さは、もうオスカー並の素晴らしさですよ。キュアロン/ルベツキじゃなくても、こんな映像が撮れるのです。

また、小道具の細かい部分にも配慮が行き届いています。駐車場の屋上で格闘するときにクルマに置きっぱなしだったホッケースティックが活躍しますし、ニックの<銃チョイス>にもコダワリが見られます。原作が「狼よさらば」の人なんで、ストーリー的には70年代テイストの映画なわけですが、ニックが選ぶ銃がまさに、70年代っぽいんですよ。
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そう、極めてオーソドックスなパイソン357とガバメント、中折れ式のショットガンなんですよね。あえてデザートイーグルを選ばないところも意味があって、銃素人のニックが選ぶにはあまりにもゴツくて、持たないのは必然なんです。素人が銃を撃てるようになるという後半の描写にも説得力があって(ちゃんと説明書を読んで練習するシーンが挿入されます)、そういう部分がキチンとしているからこそ、B級とは呼びたくない風格が感じられるんです。

こんな素晴らしい作品を撮った監督はジェームズ・ワン。非ホラーな映画はこれが初めてでしたが、才能は間違いないでしょう。「ワイスピ」の新作も観るのが楽しみになってくる一本です。観てない奴は、全員死刑に処す!


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