mixiユーザー(id:1001373)

2013年08月03日04:08

34 view

「麻生発言」の論旨は明快

先の日記でも紹介したが、まず朝日新聞デジタルによる講演書き起こしを貼っておく。

  ※  ※  ※

僕は今、(憲法改正案の発議要件の衆参)3分の2(議席)という話がよく出ていますが、ドイツはヒトラーは、民主主義によって、きちんとした議会で多数を握って、ヒトラー出てきたんですよ。ヒトラーはいかにも軍事力で(政権を)とったように思われる。全然違いますよ。ヒトラーは、選挙で選ばれたんだから。ドイツ国民はヒトラーを選んだんですよ。間違わないでください。

 そして、彼はワイマール憲法という、当時ヨーロッパでもっとも進んだ憲法下にあって、ヒトラーが出てきた。常に、憲法はよくても、そういうことはありうるということですよ。ここはよくよく頭に入れておかないといけないところであって、私どもは、憲法はきちんと改正すべきだとずっと言い続けていますが、その上で、どう運営していくかは、かかって皆さん方が投票する議員の行動であったり、その人たちがもっている見識であったり、矜持(きょうじ)であったり、そうしたものが最終的に決めていく。

 私どもは、周りに置かれている状況は、極めて厳しい状況になっていると認識していますから、それなりに予算で対応しておりますし、事実、若い人の意識は、今回の世論調査でも、20代、30代の方が、極めて前向き。一番足りないのは50代、60代。ここに一番多いけど。ここが一番問題なんです。私らから言ったら。なんとなくいい思いをした世代。バブルの時代でいい思いをした世代が、ところが、今の20代、30代は、バブルでいい思いなんて一つもしていないですから。記憶あるときから就職難。記憶のあるときから不況ですよ。

 この人たちの方が、よほどしゃべっていて現実的。50代、60代、一番頼りないと思う。しゃべっていて。おれたちの世代になると、戦前、戦後の不況を知っているから、結構しゃべる。しかし、そうじゃない。

 しつこく言いますけど、そういった意味で、憲法改正は静かに、みんなでもう一度考えてください。どこが問題なのか。きちっと、書いて、おれたちは(自民党憲法改正草案を)作ったよ。べちゃべちゃ、べちゃべちゃ、いろんな意見を何十時間もかけて、作り上げた。そういった思いが、我々にある。

 そのときに喧々諤々(けんけんがくがく)、やりあった。30人いようと、40人いようと、極めて静かに対応してきた。自民党の部会で怒鳴りあいもなく。『ちょっと待ってください、違うんじゃないですか』と言うと、『そうか』と。偉い人が『ちょっと待て』と。『しかし、君ね』と、偉かったというべきか、元大臣が、30代の若い当選2回ぐらいの若い国会議員に、『そうか、そういう考え方もあるんだな』ということを聞けるところが、自民党のすごいところだなと。何回か参加してそう思いました。

 ぜひ、そういう中で作られた。ぜひ、今回の憲法の話も、私どもは狂騒の中、わーっとなったときの中でやってほしくない。

 靖国神社の話にしても、静かに参拝すべきなんですよ。騒ぎにするのがおかしいんだって。静かに、お国のために命を投げ出してくれた人に対して、敬意と感謝の念を払わない方がおかしい。静かに、きちっとお参りすればいい。

 何も、戦争に負けた日だけ行くことはない。いろんな日がある。大祭の日だってある。8月15日だけに限っていくから、また話が込み入る。日露戦争に勝った日でも行けって。といったおかげで、えらい物議をかもしたこともありますが。

 僕は4月28日、昭和27年、その日から、今日は日本が独立した日だからと、靖国神社に連れて行かれた。それが、初めて靖国神社に参拝した記憶です。それから今日まで、毎年1回、必ず行っていますが、わーわー騒ぎになったのは、いつからですか。

 昔は静かに行っておられました。各総理も行っておられた。いつから騒ぎにした。マスコミですよ。いつのときからか、騒ぎになった。騒がれたら、中国も騒がざるをえない。韓国も騒ぎますよ。だから、静かにやろうやと。憲法は、ある日気づいたら、ワイマール憲法が変わって、ナチス憲法に変わっていたんですよ。だれも気づかないで変わった。あの手口学んだらどうかね。

 わーわー騒がないで。本当に、みんないい憲法と、みんな納得【※】して、あの憲法変わっているからね。ぜひ、そういった意味で、僕は民主主義を否定するつもりはまったくありませんが、しかし、私どもは重ねて言いますが、喧噪(けんそう)のなかで決めてほしくない。

(※水魚注:このくだりの正確な書き起こしは「本当にみんな良い憲法これはと言って、それをみな【圧倒】して、あの憲法変わっているからね」。朝日版書き起こしはこれ以外にも端々で言葉の省略がある)

(http://www.asahi.com/politics/update/0801/TKY201307310772.html)

※  ※  ※


で、普通※にこれを読むとこうなる。
(※この「普通」はあくまでも私から見た「普通」ね)

■麻生は「憲法改正は静かに(冷静に)議論すべきだ」と主張している。
(※ドイツのワイマール憲法は「民主的な手続きによって独裁者が生まれた」悪しき例として言及されている)

この講演で麻生が最も主張したいのは
「わーわー騒ぐ中での憲法論議はやめてくれ」であることは明白。
この主張は書き起こし文の最後に至るまで、全くぶれていない。

この「わーわー騒ぐ」は「マスコミ報道による国益を損なうような騒ぎ」を指している。
これが読み取れるのは、直後に靖国を例にあげているからである。
そして「かつて問題のなかった靖国参拝がなぜ問題視されるか?」と問を投げかけ、
「マスコミが騒ぎにしたせいだ」とハッキリ指摘する。

問題発言とされる部分はこの後に出てくる。

「昔は静かに行っておられました。各総理も行っておられた。いつから騒ぎにした。マスコミですよ。いつのときからか、騒ぎになった。騒がれたら、中国も騒がざるをえない。韓国も騒ぎますよ。だから、静かにやろうやと。【憲法は、ある日気づいたら、ワイマール憲法が変わって、ナチス憲法に変わっていたんですよ。だれも気づかないで変わった。あの手口学んだらどうかね。 わーわー騒がないで。本当に、みんないい憲法と、みんな納得して、あの憲法変わっているからね。】ぜひ、そういった意味で、僕は民主主義を否定するつもりはまったくありませんが、しかし、私どもは重ねて言いますが、喧噪(けんそう)のなかで決めてほしくない。」

この【 】内で麻生の論旨は大きくぶれる。
ナチス憲法という謎の憲法wも出てくる。

で、マスコミの偏向報道のすさまじさについては重々わかっている人間も、
わかっているが故に、発言の「真意」を読み解こうと様々に論旨をたどる。
そして、読み解く人間の政治信条により千差万別の「解釈」が生まれる。

丁寧に字面を追っていけば、そうならざるを得ない。

なぜなら、ここで麻生はそれまでの「静かに(冷静に)論議しよう」という自らの主張とは真っ向から対立する言説を展開しているからだ。問題部分の字面だけを素直に読めば「誰も気づかないうちに、こっそり変えちゃえ。あの手口学んでさ」となる。憲法改正、特に国防軍への呼称(組織)変更を不安視する人間ならば、怒るのも呆れるのも当たり前だ。


繰り返すが、文字だけを頼りに、丁寧に追っていけばそうならざるを得ない。


だが、人間は文字だけで情報を伝えるのではない。
声音で、音調で、抑揚で、表情で、身振りで、意味を伝える。


ここで、問題となった部分の音声を聞いてみよう。



この音声ファイルで、個人的には、全ての疑問はなくなった。
「唐突な論旨のブレ」も完全に了解した。

なぜなら

【憲法は、ある日気づいたら、ワイマール憲法が変わって、ナチス憲法に変わっていたんですよ。だれも気づかないで変わった。あの手口学んだらどうかね。 わーわー騒がないで。本当に、みんないい憲法と、みんな納得して、あの憲法変わっているからね。】

↑↑↑

この明かな論旨のブレを見せる部分は、マスコミへの皮肉だからだ。
しかも、相当強烈で、曲解されること請け合いの皮肉である。

本人もそれがわかっているから、直後に「ぜひ、そういった意味で、僕は民主主義を否定するつもりはまったくありませんが」という念押しの言葉を橋渡しにして、氏の本来の主張である「喧噪(けんそう)のなかで決めてほしくない」へと戻っていく。


どう見ても、皮肉を言っている箇所以外は、麻生氏の主張は全くブレていない。


従って、個人的には、麻生氏のこの発言を「口を滑らせるにも程がある」「(皮肉にしても)軽率過ぎる」と難ずるのはアリだと思う。さらに、皮肉であることは踏まえた上で「偏向報道に利用されるのはわかりきっているのに、なぜわざわざ自ら燃料を投下するような真似をするんだ。アホか、麻生は」もアリだと思う。あるいはむちゃくちゃ深読みして「マスコミを嵌める気満々だったんじゃね?」と陰謀論にまで暴走するのもアリだと思う。
もちろん「よりによってナチスがらみで誤解を招くような皮肉を口にするとは、副総理にあるまじき軽率さだ。こんな人に国政をまかせてはおけない」も十分アリだと思う。


だが「麻生は(自民党は)国民の知らないうちに、こっそり憲法を改悪しようとしている」だけはナシだと思う。
ついでに「ナチスを賛美している」も。


文字だけで「ひでえ」「許せない」と憤慨していたむきは、
一度、音声を聞いてみてはいかが?





(補足)ついでにこちらも。朝日デジタルの書き起こし前の論旨もあります。

(※ちなみに青山さんは皮肉部分は「反面教師としての言及」と解釈しています。
さらに共同通信による偏向報道の発端から、ニュースが広がる経緯を詳しく紹介しています)



■野党、麻生氏発言で予算委要求=安倍政権「決着済み」と拒否
(時事通信社 - 08月02日 21:02)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=4&from=diary&id=2527911
18 7

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2013年08月>
日 月 火 水 木 金 土
    123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031