久しぶりに高知に帰ってきて、実家に住んでいる。
久々に帰ってきたら、すごく懐かしい反面で、全く知らない土地と大差なくも感じたりもした。
田舎なので、家や道や建物がすこし綺麗になった程度で大した変化はないのだが。
昔は自分の町みたいに感じたのに、今はそんな感じではない。
ただ茫然と散歩をしても知り合いに会うでもないし、懐かしい風景だけど、知り合いの誰が地元残っていて、どんな仕事をしていて、どこに住んでいるのか?そういう事も1人たりとも全く知らない。
家のごく近所に新しくできたローソンに入ってみると、当たり前だが、そこは東京でも大阪でも高知でも大差ない。
実家の家は割とデカい。部屋は8個くらいある。
父親がこの家に14年間は、1人で暮らしている。
元の私の部屋は、私の荷物や何やで完全に物置となっていて人が入れる状態ではない。
弟の部屋も親父のゴルフ道具がいっぱいで、片付けないと人が住める状態ではない。
私は妹の部屋を工面して何とか人が住める状態にして今、住んでいる。
11歳から16歳まで、また21歳から23歳の多感な時期7年間を過した実家だが、どうも今はあまり自分の家という感じでもない。
いつの間にか、自分が生まれた町は、1年のうち1週間程度帰ってきて、『あー懐かしいなー!』と、思う場所になってしまったような気がした。
そんな郷愁はどうでもよいのだが、何度も言うが、困った事に私は1人で外食をするのが苦手なのだ。
うまそうなラーメン屋、新しくできたレストラン、行ってみたいところはたくさんあるのだが、1人では行けないので結局、家で冷蔵庫にある物を適当に料理するか、コンビニかスーパーで惣菜などを買う事になる。
先日、ちょっと頑張って、家のとなりのうどん屋に行ってみた。
『久五うどん』という、高知県ではそこそこ有名なうどん屋だが、そこのオジサンは隣だけあって、小学生の頃から知っている。
オジサンは『あああ、久しぶり!』とは口に出さずに、笑顔と、”おおっ!”という目線で迎えてくれた。ちょっと引っ込み思案なオジサンであまり色んな事に口出ししないタイプだ。
別に私の事を何も聞かないし、詮索もしない。
そういうオジサンがいいなあ……、などと思った。
私は中3・高1の時に、勝手にこのオジサンのバイクを何度も無断で乗り回したという経験がある。
不良な私は、夜な夜な、屋根から飛び降りて、こっそりと家を抜け出していた。
田舎なので、夜中に街に出ていくにはタクシーしか手段がないが、中学生にそんなお金はない。
その時にオジサンのバイクは、いつも鍵がつけっぱなしだったので、勝手に乗り回したのだ。
間違いなく、オジサンは気が付いていたはずだ。
ごめんなさい。
家の前で友達は必ずバイクをフカしていくし、特攻服着たヤツが家の前にタムロしたり、家まで喧嘩をしかけに来たヤツを返り討ちにするために、木刀を持って道路まで走っていったり、ゴミにガソリンをかけて燃やしてパトカーが何台も来たりと、悪い意味で注目を集める家だったはずだ。
おかげで、近所からは、山下さんの長男は不良で怖い人だと思われていたはず。
今は、現実味がないせいもあって、かなり平和な気がする。
多くの人は、バリ島に遊びに来たら、神々の住む神秘的な島で、現実味がないと感じる人が多いと思う。
私にとっては、逆に日本全体がどうも現実味がなく感じる、バリ島の毎日が普通の日常となってしまったようだ。
7年もバリ島に住んでいるのだから当たり前かな。
そうなった今、故郷はバリ島か??
なんか、さみしい気がした。
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